愛するペットに安らかに眠ってほしい…
家族同様のペットを想う気持ちは誰もが同じでしょう。
ペットのためにどこに手を合わせたらよいのだろう…
そのときに考えたいのが、ペット位牌となります。
しかし、ペットの位牌を選ぶには多大な時間がかかります。材質、デザインなど様々なバリエーションがあるからです。
そこでこの記事ではペット位牌の材質、種類の説明、人気の位牌の紹介、購入後の扱い方、そして最後どのように供養して手放すかまでを詳しくまとめてみました。
ぜひ位牌選びの参考にしてください。
目次
ペット位牌の材質
位牌の材質は主に「木製」「クリスタルガラス製」「アクリル製」の3種類があります。
それぞれの特徴は次の通りです。
木製のペット位牌
木材を加工して作られるペット位牌です。
黒檀や紫檀、白檀、欅などを材料に使った唐木位牌、また、漆を塗り、金箔や金粉などを使った塗位牌などもあります。
人間と同じような位牌で供養したい方にオススメの材質です。
クリスタルガラス製のペット位牌
重厚感と高級感があるのがクリスタルガラス製のペット位牌です。
UVカラー印刷で写真をきれいに印刷できるものと、白黒になりますがレーザーで写真を内部に彫刻できるものがあります。
アクリル製のペット位牌
アクリル(プラスチック)で作られた位牌です。
他の素材に比べて安価であるメリットがありますが、軽量であるため、高級感はありません。
いま人気なのは、クリスタル位牌です。
ペットの位牌は人間の位牌とは違って大きな決まりごとはありません。
そのため様々な種類のペット用位牌があります。
人間の位牌であれば、葬儀や最初の法要に間に合わせるために作る仮位牌「白木位牌」を四十九日法要の際に魂抜きし、新たな位牌「本位牌」(唐木位牌、塗位牌など)に魂入れする形式が一般的です。
ただし、ペットでそこまでされている方は稀です。
また、人間用の位牌に可愛さはありませんので、ペット用としてはあまり人気がありません。
現在、ペット用位牌として人気があるのはクリスタルガラス製の位牌です。
なぜ、クリスタルガラス製の位牌が人気なのでしょうか?
それは、次のような特徴があるからと考えられます。
- 位牌としての役割の他に、オブジェとしてもとても美しいこと
- 重厚感があり、高級感もあること
- かわいいペットの写真を印刷・刻印できること
混じりっ気がない純度が高い原料を使用する高級感のあるクリスタルガラスはその特徴を活かし、ジュエリーや美術品、装飾品、工芸品に用いられます。有名なところではスワロフスキーやバカラがあげられるでしょう。
クリスタルガラスの特徴は一般的なガラス(ソーダガラス)と比較して透明度が極めて高いこと。また製造工程に酸化鉛が含まれるためずっしり重いこと。位牌においてはこの重量感が欠点としてではなく高級感としての役割を果たしています。
ペット用クリスタル位牌の選び方のポイント
加工方法を選ぶ
まず、ペットの写真をクリスタルガラスにカラー印刷するのか、レーザー彫刻するのかを選びます。
■UVカラー印刷
UVカラー印刷はクリスタルガラスの表面にペットの写真や名前、メッセージを印刷できます。
こちらの位牌はメールやLINEでペットの写真をお店に送ることで作成してもらうことが可能です。
■2Dレーザー彫刻クリスタル
2Dレーザー彫刻は、細かい描写をクリスタルガラス内部に彫刻できるタイプの位牌です。
ガラスの内部に彫刻できるため、加工部分を幾重にも積み重ねることで文字やペットの姿が立体的に浮かんでみえます。
加工した部分の色はガラスを削ってつくるため白となります。
シンプルで上品な見た目に仕上げられることから根強い人気の位牌です。
形状・デザインで選ぶ
クリスタル位牌には数多くの形状・デザインがあります。
そのなかで代表的な形状・デザインをご紹介していきましょう。
- 台座一体型
- ダイヤモンドカット型
- ハート型
- しずく型
- 縦長型
- 四角形型
- プレート型
- フォトフレームタイプ型
台座一体型
台座が付いている位牌は格調高くとても人気があります。
台座には誕生月のスワロフスキーを飾ることも可能です。(レビューで無料プレゼント中)
ダイヤモンドカット型
ダイヤモンドのようにカットされていて、高級感あふれるデザインです。
ハート型
かわいいペットにぴったりのハート型です。
プレート型
少し薄型のプレートタイプです。印刷・刻印できる面積が大きく取れるのが特徴です。
上面が波打つタイプです。おしゃれなデザインですのでリビングボードや居間に飾ってもマッチするでしょう。
フォトフレーム型
写真をUVプリントせずフォトフレームに入れるタイプです。文字は2Dレーザー彫刻がいいけれど、写真はカラーを望む方。定期的に写真を入れ替えたい方にオススメです。
動物別に見るクリスタルガラスのペット位牌
現在は犬、猫だけでなく、うさぎ、ハムスター、フェレットなど様々なペットを飼われている方がおられます。
ですので、ペット位牌を購入される方も犬、猫だけに関わらず様々なペットを飼われていた方が購入されています。
実際、どんなデザインで作成されているのか見てみましょう。
ハムスター
うさぎ
鳥
<ペット位牌Q&A> ペット位牌の疑問に答えます!
では、ここからは、ペットの位牌の取り扱い方についてよくある疑問にお答えします。
「位牌ってどこに置けばいいの?」「四十九日法要で位牌はどうするの?」「手放すことにしたけど正しい処分の方法はあるの?」などなど…
ペットの位牌でお悩みの際に必要なところをご確認ください。
ペット位牌はどこにおいたらいいのですか?
人間の位牌のように厳密な決まりはありません。
そのため位牌をどこにおくかはご自身のお考え、ご家族のご意見を交えながら判断されるとよいでしょう。
汚れやすいキッチンなどは避けた方がよいでしょう。
また、小さなお子様がいらっしゃる家庭ではいたずらをして破損、紛失がないようお子様の手の届かないところに置いておくなど注意が必要です。
具足とはお仏壇に祀る仏具一式を指します。香炉、花立て、ロウソク立てなどの組み合わせで、その数によって「三具足」「五具足」などという呼ばれ方をしています。
こちらの写真に映っているのは5つの仏具ですので「5具足」です。左から花立、茶湯器(お水)、仏器(御飯)、燭台、香炉になります。
より、様式にのっとってペットを祀りたいときは購入を検討されてもよいのではないでしょうか。
人間の仏壇に飾ってもいいのですか?
ご家族がよしと判断すれば飾っても問題ありません。
ただし、宗教や個人の考え方次第では、望まれない場合もありますので事前によく話し合いましょう。
万が一意見が分かれたり判断がつかない場合には、ペット用のミニ仏壇を用意してそちらに飾られることをオススメします。
位牌に文字入れどうしたらいいの?
■人間の位牌に類した書き方
人間と同じような位牌であれば、「愛犬ポチ之霊位」のようにペットの種類(愛犬、愛猫など)、ペットの名前(ポチ、タマなど)を書き、そのあとに「之霊位」を書きます。
位牌裏には、没年月日(平成〇〇年〇月〇日、令和〇〇年〇月〇日など)、また出生がはっきりしており年齢がわかれば享年、行年の下に年齢を書き入れるのが一般的です。
享年は数え年、行年は満何歳かを表します。
ただし近年では数え年をあまり使われませんので、享年も満年齢で使われることが増えてきました。
表記 | 意味 | 書き方 |
---|---|---|
享年 | 数え年、生きた年数、生きた年月「天から享(う)けた年月」のこと。0歳の概念がなく、生まれ年を1歳と数える。 | 享年●● |
行年 | 満年齢、生きた年齢。生まれた時点を0歳とする。 | 行年●●才 |
※注:寺院や宗派によって「才」、「歳」区別なく使われることもあります。享年の場合は「才」、「歳」を付けないことが一般的ですが、使用することもあります。
■形式にこだわらない書き方
クリスタル位牌の場合、名前に「ちゃん」、「くん」などをつけた普段の呼び方でよいでしょう。
メッセージはこれまでの感謝を伝える内容、または、幸せを願うものがよいでしょう。
「天国でも笑顔で元気でいてね。」
英語(アルファベット)でも書けますので
Please sleep in peace.(安らかにお眠りください)
ペットに戒名をつけることはできますか?
よく聞かれる質問です。
現在では戒名を請け負うサービスもありますのでそちらに依頼するとよいでしょう。
参考
ペットちゃんの戒名ならペット戒名ドットコム
一方でペットは戒名が必要ないという意見もあります。
それは人間が戒名するのは、生前悪いことをしてきたその生き方を悔い改めて、天に召した際に新たな名前で再出発するためであり、ペットは人間のように業をもたないから必要ないという考え方です。
四十九日法要では位牌をどう供養すればよいでしょうか?
初七日の次に重要になってくる法要が四十九日法要です。
四十九日法要ではペットが亡くなった後に、ペット火葬業者が火葬した際などに渡してくれる仮位牌(通常は紙位牌、白木位牌でありネット購入も可)を本位牌に置き換えて魂入れを行います。
制作期間を見越して、本位牌を準備しましょう
本位牌を作るには、名前や戒名を彫る必要があることから制作日数が二週間ほどがかかることが多いようです。四十九日法要で魂入れをご検討の際は、手元に位牌がないと当然ながら魂入れができませんので余裕を持って準備をするようにしましょう。
なお、本位牌は、人間の場合は黒漆の位牌が一般的となります。ペットや動物の場合はとくに決められたルールがありません。写真を印刷・刻印するクリスタル位牌の場合は10日ほど制作に日数がかかりますので早めに注文依頼を出しておきましょう。
魂入れの儀式
昨今ではペットの位牌も魂入れをしてくれる寺院やサービスがでてきています。人間の場合は位牌を新しく作った際に開眼法要で魂入れをします。ペットの位牌の場合は、購入した際に魂入れがされていない場合は四十九日法要などに合わせて魂入れの儀式を行うことになっています。
魂入れは仮位牌の紙位牌・白木位牌から魂抜きをしてから行います。魂入れというのは仏像など形のある偶像に魂を宿らせる儀式のことです。そして位牌、お墓、仏壇にも魂入れを行えます。
魂入れをしてくれる場所は、通販では取り扱ってくれない場合があるので基本は菩提寺(先祖代々ご自身のお寺)または、菩提寺の宗派と同じ宗派のお寺に相談してみましょう。
・開眼供養:魂入れの別名です。仏像を作る際に最後に目を描き込むことで像に魂が入ることが由来です。
・お性根入れ:魂入れの別名。
ペット位牌の処分方法
位牌の選び方を紹介している記事でもう処分する際のお話をするのも何ですが、位牌はいつか手放さなければいけなくなるものです。
それは子孫に負担をかけないためかもしれませんし、新しい人生のために区切りをつけるため、はたまた、引っ越しや結婚などで持っていけないなど様々なご事情があると思います。
遠い将来の話しにはなると思いますが、購入される前に一度処分についても理解しておいてください。
処分する際に大切なのはご供養処分という方法を取ることです。
そのための方法が2つあります。
- 魂抜きとお焚き上げ
- 永代供養を申し込む
魂抜きとお焚き上げ
魂抜きについては檀家のお寺、またはペットの魂抜き(お性根抜き)を取り扱うお寺(あるいは最近ではネットにてお坊さん派遣サービスがあります)に相談の上、魂抜きをしてもらい、お焚き上げで完全処分してもらいましょう。
永代供養を申し込む
ペットの位牌を処分することが心苦しい、家族の反対がある。そんなときに考えたいのが永代供養です。遺骨と同様に位牌を永代供養してくれるお寺や霊園があるのです。完全に処分するわけではなく、一定期間(人間の場合は33年ほど)預けられ、その後、お焚き上げによる焼却処分となります。
この永代供養と魂抜きとお焚き上げ、どちらが良いかは一概にはいえません。ただし、大きな違いはかかる費用です。永代供養は一般的に10万円以上のお金がかかることが多いですが、魂抜きとお焚き上げは1万円前後で収まることもあります。勝手に位牌を処分して後で問題が起きないようにご家族に相談の上検討するのが望ましいでしょう。
ペットの位牌の必要性
はたしてペットに位牌は必要なのでしょうか?
これに関しては大きく意見が分かれるところでしょう。
「そもそもペットに位牌は必要ない」
「いやいやペットに位牌があればそれこそが供養になる」
はたしてどちらが正しいのでしょう。
この質問には答えはありません。
ご本人、ご家族が決めることです。
ですので、不要と考えられる方はお読みいただく必要はありません。
必要と考えられる方は考え方の一助としてお読みいただければ幸いです。
なぜ今ペットの位牌が必要とされるのか?
近年のペットブームで、犬や猫、ハムスター、小鳥(インコや九官鳥など)など様々なペットを飼うご家庭が増えました。
核家族化に伴い寂しさを癒してくれるパートナーとして飼われている方もいらっしゃることでしょう。ペットが今まさに家族と同じような立ち位置となり、ただの愛玩動物としてではなく同じ家族の一員として亡くなられたときにご供養される機会も多くなりました。
そんな中で重要になってくるのがペットロスという問題です。
ペットロス。それは現代では大きな社会問題です。家族と同じように大切にしてきたペットがいなくなったときの悲しみは、心に大きな穴がぽっかりと空いたように何もできなくなってしまいます。悲しみから涙が意図せず溢れ出して止まらなくなることもあります。
そんな中でその心の空白を埋めてくれるものは何でしょうか。
そのひとつが供養であり、位牌の役割はそこにあります。位牌は亡くなった者の代わりとなるものです。魂入れを行えば、そこには亡くなったペットの魂が込められています。それを信じるか信じないかはもちろん個々の宗教観や考え方があるでしょう。それでも信じる方にとっては位牌があり供養することでペットがいなくなった悲しみを和らげてくれるのです。
あなた自身の心の供養として
後悔の念、自責の念にかられて苦しくて仕方ないときにせめてものご供養の形としての位牌があることで、あなた自身が救われることになるでしょう。
「もっと一緒にいたかった」、「もっと大切にしてあげればよかった」
もちろん、ペットに位牌はなくてもいいのかもしれません。しかし心がどうにも晴れない、ペットのことが今も気がかりだと思うときはあなた自身の心の供養として位牌をもたれるとよいでしょう。
ペットロスを乗り越えるために
大切なペットがいなくなったときの悲しみ、それは言葉にできるものではありません。
とくにお子さんやお孫さんのようにペットを大切にしてきたご高齢で一人暮らしの方にとってはあまりにその悲しみが大きく、ペットロス症候群による心身への影響が大きすぎて耐えられないときもあるでしょう。
そのようなときに心の支えとして手元にあれば安心できるのが位牌になります。以前のように動かない、鳴いてくれない、甘えてくれなくても、何もない虚無感をほんの少しでも埋めてくれるのが位牌という形あるものの存在です。拝むものが手元にある、それだけでペットロスを乗り越える助けになるものでしょう。
ペットロスの乗り越え方について詳しく知りたい場合は、こちらの記事をお読みください。
愛するペットの代わりに
位牌には愛するペットの魂が込められています。悲しいとき位牌がそこにあることで、位牌に手を合わせペットの安らかな眠りを願えます。虹の橋をわたり天国で元気に駆け回っている姿を願えるのです。
もちろん、だからといって亡くなったペットがそこにいるわけではありません。ただそれでも、いつまでもペットのことを忘れずにいられる、そのためにペットの位牌があるのです。
愛するペットの成仏を願って
愛するペットが成仏できますように。その想いを届けるための役割が位牌にはあります。
魂がそこにある、そしてその魂に向かって、感謝や愛情を届け、語りかけご供養することでペットもあなたにありがとうを伝えてくれるかもしれません。心の世界のお話なので目には見えません。それでも想い続ければ想いは伝わる。そんな想いを位牌を通じて届けてみてはどうでしょう。
ペット位牌のまとめとしてもっとも大事なこと
さてここまでを通してペット位牌の選び方のポイント、祀り方、文字の入れ方、最後のご供養処分の仕方に至るまでご理解いただけたことと思います。
ただ、ここまで説明しておいて恐縮ではありますが、本当に大切なのは位牌そのものではありません。
大切なのはあなたが位牌を通してペットの成仏を願うその想いです。どんなご供養方法であれ、形だけでは意味がありません。位牌を手にしても埃をかぶったままではペットも浮かばれないことでしょう。
ですのでしっかりと想いを込めてご供養し、日常のなかでペットのことを思い出しては永遠の幸せを願っていきましょう。
あなたの愛してきたペットがいつまでも心安らかに眠れますように、そしてあなたがペットをうしなった寂しさが少しでも和らぐことをお祈り申し上げます。
ペット供養専門店「Pet Momento」
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