「ペット用の骨壷は何を基準に選べばよいのだろう・・・」
愛するペットの骨壷を探しているとき、骨壷の大きさや種類など選び方の基準がわからなくなってしまうことはありませんか。
また、骨壷の保管場所や供養の仕方に悩まれてしまうことはありませんか。
「骨壷の中にカビが生えないようにするには、どこに置いて保管すればよいのだろう?」
「ペットの骨壷とその中の遺骨は、どうやって供養すればよいのかな…」
以上のような疑問に答えるため、この記事では、ペット骨壷の選び方、カビ対策、骨壷の処分方法までのペット用骨壷に関する疑問に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
あなたのペット骨壷に関する疑問を解決してもらえましたら幸いに存じます。
ではさっそく見ていきましょう。
骨壷は大きくわけて2つの種類があります
ペットの骨壷は大きくわけて2つの用途で存在するのをご存知でしょうか?
ひとつは「納骨用骨壷」といわれる骨壷です。
そしてもうひとつは「分骨用骨壷」と言われる骨壷です。
あなたがいまペット用の骨壷を探されているのであれば、この2つの違いをまずはしっかり理解しておきましょう。
- 納骨用骨壷とは・・・ペットの遺骨を納骨することを目的とした骨壷のこと
- 分骨用骨壷とは・・・ペットの遺骨を分骨したり手元供養を目的とした骨壷のこと
この2つ、どちらも同じと思って購入されてしまうと、のちのち買い直しが必要になる場合もありえます。
また、49日法要など本来手元にあるべきタイミングで手元に届いてない、といった事態も起こりえますのでご購入の際は十分に注意しましょう。
では納骨用と分骨用の、それぞれの骨壷の違いをみていきましょう。
納骨用骨壷とは
用意した骨壷の中にペットの火葬後に残る遺骨や遺灰を一旦納め、ペット霊園やお墓などに納骨することを前提とした骨壷のことを「納骨用骨壷」と言います。
見た目は下の写真のようにくびれのない寸胴型が一般的となっています。

この写真のように納骨用骨壷は、本体に上から蓋をするだけのシンプルな造りとなっています。また本体や蓋にかわいらしい装飾デザインが施されたものが多い傾向にあるのが、ペットの納骨用骨壷の特徴です。
写真の右側は、骨袋(こつぶくろ)と言われる骨壷を収納するためのカバーとなります。
またペット用の納骨用骨壷には、ペットのお写真や名前を入れられるタイプもあります。
また、寸胴型ではありませんが、かわいらしいデザインの納骨用骨壷もあります。
分骨用骨壷とは
そしてもう一つ、「分骨用骨壷」と言われるものがあります。
こちらは遺骨の一部を手元供養など自宅保管することを目的とした骨壷であり、その見た目は以下のようなものが一例としてあげられます。

見ての通り、分骨用のミニ骨壷は納骨用に比べてネジ式で蓋をする分だけ機密性が高い特徴があります。たとえばグッドデザイン賞を受賞しているこちらの骨壷は、工芸品として名高い富山県富山市の高岡銅器の骨壷となります。密閉製が高いため長期保管に適している骨壷です。また、人間の手元供養として作られている骨壷であっても、近年ではペットを家族の一員として見る傾向にあることから、同様にご利用いただけるようになっています。
さてこのようにペットの骨壷にはこの2種類があります。
骨壷の用途 | |
---|---|
①納骨用骨壷 | 火葬後にお骨上げした遺骨を納め、いずれペット霊園などに納骨を前提とした骨壷となります。 |
②分骨用骨壷 | 遺骨の一部を分骨し、手元供養として保管するための骨壷です。納骨用骨壷に比べ、サイズは小さく、デザインやカラーの選択肢が豊富です。一般的にミニ骨壷と呼ばれています。 |
あなたはいまどちらの骨壷を必要としているでしょうか?
購入前に今一度確認してみてくださいね。
ペットの骨壷はどう選ぶ?押さえたい3つのポイント
それでは、ペット用の骨壷を購入される際に何を基準に選べばよいのか具体的にお伝えしていきます。
先ほどもお伝えしたように骨壷には2つの用途があります。
用途が異なりますので、もちろん選ぶポイントも変わってきます。
納骨用骨壷の選び方、分骨用骨壷(ミニ骨壷)の選び方ポイントをそれぞれ順に説明していきましょう。
「納骨用骨壷」の選び方
納骨用骨壷を選ぶポイントは次の3つです。
- ペットの大きさに適したサイズを選ぶ
- 材質や見た目のデザインが最適なものを選ぶ
- 一時利用か長期利用かによって選ぶ
ペットの大きさに適したサイズを選ぶ
骨壷を買ったのに小さかった!ペットの遺骨が納まらない!
そのような事態が起きないために購入前に必ず確認しなければならないのが骨壷のサイズです。
納骨用の骨壷であれば、寸胴といわれる胴体部分にくびれがない円柱形のタイプが多く用いられます。
そのため納骨用骨壷のサイズは、胴体の直径を「寸」という大きさの単位で測ることになります。
おとぎ話にでてくる一寸法師は3.03㎝であることからわかるように、一寸は3.03㎝です。主に和食器の大きさに使われる単位ですよね。
なお骨壷サイズは、火葬後のペットの遺骨を粉骨・砕骨せずにそのまま入れるか、細かく砕いて入れるかで当然ながら容積が変わってきます。
あらかじめ確認しておきましょう。
そして砕かずそのまま入れる場合は、頭蓋骨の大きさがもっとも大きい遺骨になりますのでその大きさに合わせて選ぶとよいでしょう。(きれいに長い脚の遺骨が残ると頭蓋骨より大きくなることもあります)
大きさ(口径:底直径) | ペットの種類例 | ペットの具体例 |
---|---|---|
6寸(約18㎝) | 大型犬 | シベリアンハスキー |
5寸(約15㎝) | 大型犬、中型犬 | 柴犬、ブルドッグ |
4寸(約12㎝) | 中型犬、小型犬、猫 | トイプードル |
3〜3.5寸(約9〜10.5㎝) | 子猫、うさぎ、小型犬、超小型犬 | チワワ |
2~2.5寸(約6㎝〜7.5㎝) | 小動物、小鳥 | ハムスター、インコ |
こちらの表はあくまでも目安になります。
火葬後の大きさは個体差がありますので、あくまで目安としてお使いください。
材質や見た目のデザインが最適なものを選ぶ
「人間の納骨用骨壷」で言えば、シンプルな切立ちデザインが多く、その周りに釉薬(うわぐすり)で装飾が施された「陶磁器製の骨壷」を想像されるのではないでしょうか。
しかし「ペットの納骨用骨壷」は、陶磁器製に限らず、さまざまな材質の骨壷が販売されています。
木製や金属製、ガラス製などです。
そのため材質・デザインは、亡きペットへの愛情表現の形として選べます。ご自身が納得できるものを購入されるとよいでしょう。
なお、ペット霊園などのカロート墓地、洋風墓所、ロッカー式納棚などに納骨する際は骨壷のまま納めることが多いです。決められたサイズなど取り決めがあるはずですので、事前に確認しておきましょう。
※土に埋葬してそのまま自然に還したいのであれば「土に還る仕様の木製骨壷」を選ばれるとよいです。
一時利用か長期利用かによって選ぶ
一般的に49日法要後に納骨されますが、骨壷から遺骨を出して埋葬する場合や散骨する場合にはその後、骨壷は不要になります。
こうした際の骨壷は一時利用になります。そのため、シンプルで価格も抑えめな骨壷を選ぶ方が多い傾向です。(一般的に骨袋が施されることが多く、その場合は骨壷自体が目に触れることは少なくなります)
一方で、お墓のカロート(骨壷の収納室)内や納骨堂、自宅などに骨壷ごと納骨する場合は長期利用になります。そのため耐久性・密閉性があり、また、こだわりがある方はデザイン性がある骨壺を選ばれる方が多い傾向です。
いずれの場合も最終的には飼い主の納得できるものを選ぶことが大切です。
「分骨用骨壷(ミニ骨壷)」の選び方
分骨用骨壷を選ぶポイントは次の3つです。
- 手元供養したい遺骨の分量で選ぶ
- 材質や見た目のデザインが最適なものを選ぶ
- 携帯したいかどうかで考えて選ぶ
手元供養した遺骨の分量で選ぶ
分骨用骨壷にも、さまざまなサイズのものがあります。ですので購入の際には、サイズ(高さ、直径)と口径を参考にするとよいでしょう。
たとえばこちらの、ミニ骨壷の場合を考えてみましょう。

こちらのミニ骨壷の商品表記には「サイズ:高さ64mm 直径43mm 口径28mm」とありますので、口径で言えば1寸(3.3cm)より小さいと言えます。また「容量30cc」との記載から遺灰や粉骨された遺骨が30ccまで入るということが分かります。
なお粉骨後の遺骨サイズは、通常の1/3から1/4程度になります。
そのため、こちらの換算表を元に分骨用骨壷のサイズを選ばれると良いでしょう。
元の大きさ(口径:底直径) | ペットの種類例 | 粉骨後の容量目安 |
---|---|---|
6寸(約18㎝) | 大型犬 | 750cc〜 |
5寸(約15㎝) | 大型犬、中型犬 | 475cc〜 |
4寸(約12㎝) | 中型犬、小型犬 | 225cc〜 |
3〜3.5寸(約9〜10.5㎝) | うさぎ、小型犬、超小型犬、猫 | 100cc〜 |
2〜2.5寸(約6㎝〜7.5㎝) | 小動物、小鳥 | 30cc〜 |
なお、粉骨したペットの遺骨すべてを骨壷に封入するわけではありませんので、分骨のためにどれだけ手元に残したいかを元にペットの大きさに適したサイズを選ばれるとよいでしょう。
また、粉骨の程度によっては納まる容量も変わってきます。遺骨を適切な方法で完全に粉骨しパウダー状にすればかさが減りますが、粗めの砕骨とした場合はかさが増えますので注意してください。万が一納まらなかった場合は、別途手元供養として納めるか、ペット霊園などに一部納骨・埋葬などを検討しましょう。
材質や見た目のデザインが最適なものを選ぶ
分骨用骨壷は納骨用骨壷に比べると、比較にならないほど使われる材質・デザインの幅が広いです。中にはアンテーク作品かと見違えるほどその美しさに驚かされるものもあります。
なぜでしょうか? それは分骨用骨壷が普段目に見える自宅の仏間やリビングなど、日常空間に置いておくことを前提に作られているためです。
いくつかの分骨用骨壷を紹介します。

ガラス製の分骨骨壷の特徴はその透明感と光が入り込んだ際の美しさにあります。見た目にもおしゃれなので座敷・洋間関わらずインテリアとして最適と言えるでしょう。ただし小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、いたずらに開けて中身をこぼしてしまったり、落として割らないように手が届かない場所におくなど注意が必要です。

白地と藍のブルーオニオンと呼ばれる伝統ある磁気製品です。中央チェコ・ボヘミアの小さな街の工場で作られている逸品になります。
高級感があるため床の間やリビングボードに飾ってもいいでしょう。

七宝焼きは伝統工芸品としてあまりに有名ですので誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。江戸時代後期に海外の七宝皿を元に尾張藩士の梶常吉が研究を重ね、製法を解明し、現代の七宝焼きの基礎となる「尾張七宝」を築いたとされる七宝焼き。その特徴は金属の表面にガラス質でできた釉薬(うわぐすり)をのせてから焼くことで、繊細で美しい紋様が浮き出るのが特徴です。

こちらのミニ骨壷は高度な鋳造技術をもつ富山県高岡市で製造されています。400年の伝統がある高岡銅器を使用しています。おしゃれなデザインはグッドデザイン賞に選ばれているだけありますね。上質で高級感がある場所(床の間、お座敷など)に置いてもマッチするでしょう。

ケヤキが用いられたミニ骨壷になります。ケヤキの骨壷の特徴は手に持ったときのぬくもりです。木地は、目止め材を塗っては磨く工程を職人の手作業で丁寧に繰り返されます。表面はしっかりと目止めが施され、しっとりとやわらかい手触りです。

蒔絵とは漆で絵や模様を描き、漆が乾かないうちに金粉や銀粉を蒔いて仕上げる伝統工芸作品です。茶の世界でも使われるので和の雰囲気に合う空間(和室・茶室・古民家など)におくとよいでしょう。

深い奥行きを見せる七宝瑠璃と、手ごたえのある質感と精緻な加工による美しい仕上がりのミニ骨壷です。桜、胡蝶蘭、紅玉と名付けられた3種類のデザインがあります。洗練されたデザインがどのお部屋にもマッチすることでしょう。

シンプルな形状で現代風の装飾がほどこされた真鍮製のミニ骨壷です。
安心、優しさをイメージさせるやわらかな曲線のシンプルモダン。手のひらサイズでシンプルな形状なので、洋室でも和室の仏壇の中に納めても違和感がありません。飽きのこないフォルムと深みのある質感の高級感ある作りです。

フォトスタンドの裏に遺骨を納められるタイプのミニ骨壷です。見た目は普通のフォトスタンドですので、骨壷を表に出したくない方にオススメです。ミニ骨壷は真鍮製ですので、お出かけのときに携帯することも可能となります。
携帯したいかどうかで選ぶ
分骨用骨壷の特徴はサイズが小さいということです。よって納骨用骨壷と比べて持ち運びが容易になります。
その特性から中には旅行に行くとき一緒に連れていってあげたいと思われる方もいらっしゃいます。そうした場合には、携帯することに適した骨壷を選ぶ必要があるでしょう。
先ほどご紹介したガラス製の骨壷は割れる可能性があるので携帯には適しません。ミニ骨壷の中には携帯することを前提にした商品もあります。

金属製である真鍮やステンレスの特徴は何と言っても割れないことです。持ち運びを前提とした場合には安心できるでしょう。また金メッキ処理されている骨壷は、見た目に高級感があるため、お部屋の祭壇などに飾っておくと洗練された佇まいを醸し出してくれます。
また携帯用のものとして、ペンダントタイプもありますので合わせてご覧ください
ペット骨壷を手に入れるには
ペット用骨壷はどこに行けば手にいれられるのでしょうか?
また相場としてはどのくらいの価格帯なのでしょうか?
ペット用の骨壷は、どこで買えるのか
普段はペット用の骨壷を見かける機会はまずないでしょう。ですので、いざ購入しようとすると悩まれるケースがあります。しかし、ペットが亡くなって必要なときには探さないわけにはいきません。そこで売っている場所をご紹介しましょう。
こちらで買えます
ペット用骨壷を買うには、実際にお店に足を運び選んで購入するか、ネットで調べて選び購入するかの2通りになります。
- 実店舗で選び購入する
- ネット通販サイトを探して購入する
アマゾンで購入する際に気をつけるべきポイントは何よりもまず最初にレビューを確認すること。また長期保管に本当に適しているかの記載があるかどうかを確認することです。安いからと買ったはいいものの、その後気密性が保ててないことから遺骨にカビが生えたら泣くに泣けなくなるでしょう。必ず長期の保管に耐えられる骨壷かを確認してから購入するようにしましょう。
楽天サイトで購入する場合も同様です。ただしアマゾンに比べて専門サイトが独自に運営しているためそのお店が信頼できる表示をしてあれば、長期的な扱いとして安心できるでしょう。その点もレビューなどを確認してみましょう。
ペット供養専門サイトで購入する場合、ペット供養を専門に取り扱っている点で信頼性が高いと言えます。ポイントはお客様の声とアフターサービスがしっかりしているかどうかです。売りっぱなしで面倒をみてくれないサイトで買っては、届いたときに納得できない場合に対応を渋られることがあるので、その2点を確認しましょう。
なお、かわいい骨壷をお探しでしたらこちらの記事をお読みください。
すやりんブランドの骨壷は老若男女問わず高い人気があります。
ミニ仏壇・・この中で骨壷を安置します
祭壇・・法事・法要の際に用います
仏具・・おりん、香炉など合わせて供養に使われます
ペット用位牌・・骨壷とセットで飾るとよいでしょう。
その他のメモリアルグッズはこちらの記事をお読みください。

ペット骨壷のカビの発生を防ぐ保管方法
ペットに限りませんが骨壷でもっとも頭を悩ませるのはカビです。大丈夫だろうと長期間放っておいた骨壷を開けたらカビまみれだったらショックですよね。亡くなったペットにも申し訳ない気持ちになってしまいます。
そこで、ここではどうしたらカビの発生を抑えられるのか、骨壷のカビ対策をご紹介します。
そもそもカビが発生する条件とは・・・
なぜカビが発生するのでしょう?
一般的なカビが発生する条件は次のとおりです。
- カビにとっての栄養があること。
- 湿度や温度がカビにとって最適であること
- カビが活性化するための酸素があること
これらの条件に加えて時間が経過するほどカビは増殖していきます。
では、遺骨のカビについてはどうでしょう?
遺骨に栄養があるのでしょうか?
というと、じつは遺骨にはほとんど栄養がありません。なのになぜ遺骨にカビが生えるのか? それは、それ以外の悪条件が成立して一部にできたカビが広がってしまうためです。
また、じめじめした湿気、触れたときの指の皮脂、酸素が十分にあることが条件になります。他にも空気中の有機物、唾(つば)、鼻息をかけたりすることでもカビが生える原因となりますので骨壷自体、不必要に開けないようにしておきましょう。
酸素の存在も大きな理由です。
真空パックではカビが生えないのに、空気が入るとカビが発生することがあります。それは空気中に含まれる有機物がカビの栄養になるのが理由のひとつです。もうひとつの理由は、カビは酸素がないと活性が抑えられて活動できませんが、十分な酸素が供給されると活動してしまうからです。
よって、これらのカビ発生条件と一致しない場所に保管することが大切になることがお分かりいただけることでしょう。
カビが生えにくい保管場所はどこか
以上を踏まえると、カビが生える条件は単純に湿度が高いからだけでなく、湿度が低くても長期保存であればカビが発生する可能性があることをお分かりいただけたと思います。
それを踏まえると次のような場所が保管場所として最適と言えます。
保管に適した場所 | 保管場所の例 |
---|---|
湿度が低く風通しがよく、1日の気温差が少ない場所 | 直射日光が当たらないリビングルーム・ベッドルーム |
カビの栄養となる要素が少ない場所 | キャビネット棚・ガラスショーケース・サイドボード棚 |
酸素がない、または極力薄い場所 | 気密性の高い骨壷内 |
順にみていきましょう。
湿度が低く風通しがよく、1日の気温差が少ない場所
ご自宅に骨壷の安置することを考えた場合、もっとも湿度が低い場所はどこでしょうか?
おそらくリビングなど風通しがよい場所を思い浮かべることではないでしょうか。ここでいう風通しがよい場所とは風の流れがある場所であり、風があたる必要はありません。締め切ったお風呂場のようにじめじめした空気がこもっている場所ではなく、カラッとしている場所であれば良いのです。
その中で直射日光があたらず高温多湿にならない場所を選びましょう。なぜなら、温度変化があるとカビの原因になるからです。骨壷が極端に冷えたとき、結露により水滴が内部に発生し、そこから小さなカビの菌が発生してしまうからです。逆に直射日光で高温になったときは遺骨や遺灰に含まれるわずかな水分が蒸発し、そこからカビが発生する原因になります。そのため24時間大きな気温変化がない直射日光の当たらない室内においておくことが大切です。
ベットルームは一般的に窓が少なく暗所となりやすいため最適な場所です。太陽が部屋の中に差し込む場合は直射日光が当たらない場所に置きましょう。
お風呂場の近くや押入れなどは湿気がたまりやすいので避けましょう。
カビの栄養となる要素が少ない場所
遺骨自体にはほとんど栄養がないことはお伝えしましたが、遺骨に直接手で触れた際に付着した皮脂や水分・または空気中に漂う有機物もカビには栄養になります。骨壷を開けるだけでもカビが発生しやすくなります。遺骨を直接手に取ることでさらにカビが発生しやすくなります。ですので、必要がないのであればむやみに骨壷を開けないこと、また、やむなく触るときは皮脂がつかないように作業用手袋をはめるなど注意しましょう。場所としてはお子さんの手が届かない場所、ガラスで覆われて中が見えるキャビネット棚、サイドボードに飾るとよいでしょう。
酸素がない、または極力薄い場所
酸素がなければカビの活性化が抑えられます。では、実際に酸素が少ない場所ですが、それは空気の出入りの少ない密閉空間になります。例えば気密性の高い骨壷です。外からの湿気やカビの原因となる有機物の混入を減らすことができます。
カビを生やしたくなければ気密性の高い骨壷を選びましょう。
カビが生えるのを防ぐ保管方法
では、カビの生えない、または生えにくい保管方法はどのようなものがあるのでしょうか。ここではカビ対策を4つご紹介します。
湿気対策をする
除湿剤、シリカゲルなどの吸湿剤で骨壷の中の遺骨から出てくる水分や外からの湿気を除湿しましょう。除湿・乾燥の効果を高めるため桐箱などに収めてそこに除湿用の吸湿剤を入れる、または骨壷の蓋の裏に吸湿剤を貼り付けるとより効果的です。
または除湿機やエアコンで除湿を行うことも有効です。
真空パックにする
可能な場合になりますが、食品保存などに使われている真空パックの機械を使って、真空にすることでカビの発生を限りなく抑えることができます。遺骨や遺灰を真空パックにすることに抵抗を覚える方もいますので、あくまで方法の一つとして捉えておくとよいでしょう。
密閉されて空気の入らない骨壷を選ぶ
とくに一時保管用の納骨用骨壷場合、種類によっては気密性を十分確保できず空気が入り込み、そこに含まれる水分や微量の有機物からカビが発生することがあります。そこで精密なねじ切りをされているもの、ロック式の構造、それでなければゴムパッキンがあるものなど極力空気が入らないものを選ぶようにしましょう。
気密性に不安がある場合は蓋の周りをセロテープなどを巻いておくとよいでしょう。
むやみに骨壷を開けない
開けるなといわれると開けたくなりますよね。たまには骨壷を開けて亡きペット偲びたい方もいらっしゃるかもしれません。しかし、骨壷を開けることでカビの活性となる空気が入ります。またそれ以上に、手の皮脂などがついてカビの餌となりますので手で直接触れることを避け、何日も放置などすることなく骨壷に戻すようにしていきましょう。
万が一、遺骨にカビが生えたら・・・
カビが生えてしまったと、その前にまず初めに知っておいて欲しいことがあります。それは火葬された骨は必ずしも最初から白ではないということです。火葬場の設備や火葬方法、一緒に燃やしたもの、ペットの脂肪やミネラルなど燃焼したものが付着することにより、色がついてしまうことがあります。ですので、白でない=カビと判断しないようにしましょう。
どんなに万全を機しても遺骨にカビが生えることはあります。それは長期保管であればより可能性は高くなります。
そんなときに試してみたいのが、次の2点になります。
- 天気がいい日に室内での天日干し
- 火葬業者に依頼して高温再火葬
天気がいい日に室内で天日干し
ペットの遺骨が砕骨前の遺骨そのものの状態であれば、骨壷から取り出して天気が良い晴れた日に直射日光の下で、数時間天日干ししましょう。日光消毒することで小さなカビであれば発生を抑制できます。また、臭い消しにもなりますので定期的にされるとよいでしょう。
火葬御者に依頼して高温再火葬
一度カビが生えた遺骨でも、高温で再火葬するとカビを除去して死滅させることができます。ペット火葬・供養の会社で請け負ってくれることがありますので相談してみると良いでしょう。自身で行うと焦げてしまうこともありますのでやらないようにしましょう。
答えは粉骨した方が吸湿しやすくなるのでカビが生えやすくなります。
ペット骨壷と遺骨についてのQ&A
ここではペット用骨壷と遺骨について、よくいただく質問にお答えします。
自宅の庭、ペット霊園。埋めるのは骨壷ごと?それとも遺骨だけ?
いざ埋葬すると決めたときに迷うことがあります。それは骨壷ごと地面に埋めるのがいいのか、それとも中身の遺骨・遺灰だけを取り出して埋葬するのかということです。
結論からいうと、以下の2つのケースによって異なります。
- 自宅の庭や山などに自分で埋める場合
- ペット霊園・共同墓地の管理者に埋葬を依頼する場合
自宅の庭や山などに自分で埋める場合
この場合は骨壷から遺骨を取り出して埋葬することになります。なぜなら、骨壷に入れたまま地面に埋めても遺骨はそのままの状態で土に還らないからです。また骨壷の隙間から水や雑菌、微生物などが入り込みカビが発生してしまうことになるからです。
さらに言えば、どんなに厳重に密封しても結露などにより中に水分がたまり、これまたカビの温床となり、万が一掘り返して開けた際に菌が広がって病気や感染症の原因になることも考えられます。
ですので、埋葬する際は骨壷から遺骨を丁寧に取り出して直接土に埋めるか、それがはばかれる場合には布やガーゼに包んで心を込めて埋葬いたしましょう。少しでも早く土に返してあげたいと思うのなら、粉骨してあげると分解が早く進みます。供養として埋葬した場所にお花を植えてあげるとよいですね。
ペット霊園・共同墓地の管理者に埋葬を依頼する場合
一方、自分で埋葬するのではなくペット霊園や寺院の墓地に埋葬を依頼する場合は、霊園や寺院によって異なります。カロートといわれる納骨室に骨壷ごと安置されるところもあれば、骨壷から遺骨を取り出して埋葬するところもあります。
また合同供養塔などで供養する場合は、一般的に個別墓とは違って他の動物の遺骨と一緒になるため返骨がないことが大半です。詳しくはペット霊園や寺院によって異なるので確認してみましょう。
霊園や寺院によっては上記のように骨壷から遺骨を取り出さず供養するところもあります。また、手元供養する場合も土には還りません。
では、遺骨は土に還さないと成仏できないのでしょうか?
その答えはどちらが間違ってるでも正しいでもありません。土に還さないといけないという考え方は土葬されていたときに公衆衛生上、絶対に必要なものでした。現在は火葬されることが一般的ですので、公衆衛生上の問題はありません。
よって、土に還すかどうかはご本人の判断によることで問題ありません。
自分で骨壷を開けて新しい骨壷に入れ替えてもよいのですか?
今ある骨壷が古くなったので、遺骨を新しい骨壷に入れ替えたい。はたして、自分で勝手に入れかえてもいいものなのでしょうか?
結論をいうと、ご自身でなされて問題ありません。ただ、注意点はあります。開ける際はこぼしたり紛失することのないよう下に大き目のきれいなビニールシートを敷いておきましょう。また唾(つば)が飛んだり、息がかかってしまうなど空気中のわずかな有機物がカビの原因にならないよう、心配な場合はマスクをしておくとよいでしょう。そして、素手で触ると指の油脂がカビの原因になるので、作業用手袋を使用するなど万全のカビ対策をして入れ替えていきましょう。
手元に骨壷がないときの代用品は何がありますか?
急にペットが亡くなって今すぐ骨壷が必要になってしまったのに準備が間に合わない、そんなときに骨壷の代わりとして代用できるものがあると安心ですよね。
もちろん、火葬場でペットのご遺体を火葬すれば火葬業者の方が骨壷を紹介してくれるでしょう。しかし、納得できるものがなく購入したいと思えないのならすぐに買う必要はありません。代用して、あとから購入して入れることができます。
たとえば、100円ショップなどで手頃なビンを購入して一時的に入れるのも良いでしょう。できれば実際の骨壷と同じように白磁器であれば見た目にも悪くはないでしょう。
あるいはお菓子などの金属の容器に布を張ってそこに納めるのも一つの手です。この場合はとくにお菓子のクズが遺骨に付着してカビの原因にならないよう、よく払った上でアルコールなどでしっかり油分や汚れをとるとよいでしょう。
また、ダンボールや紙の入れ物の場合には、火葬後すぐの遺骨を入れると湿気が原因でカビてしまうことが考えられます。
いずれの場合でも除湿剤を入れて湿度をさげるように心がけましょう。
ペットと人間の遺骨を一緒の骨壷に入れていいの?
今の時代はペットも大切な家族の一員です。ですので、ペットも人間と同じお墓に入れてもいいのではと考えられることも多くなりました。それは骨壷に関しても同様です。人間とペットを同じ骨壷にまとめてもいいのではと考える方も少なからずいらっしゃいます。
答えは法律上は問題がありません。しかし、宗教的観点から一緒にすることはできないという考えもあります。
例えば仏教では、あなたにとっては家族同然のペットであったとしても、人間以外の動物は「畜生」に分類されます。そして、生前悪い行いをしてきたものが畜生に生まれ変わるという考えから望ましくないと考えられているのです。
しかしながら、ペットと一緒に入ることができる霊園が出てきているように、一緒にすることを問題ないとする考えも広まってきています。
よって、自宅など自分で判断できる場合は、ご自身とご家族の考えに基づき判断し、霊園に納骨するときは霊園の決まりに従うのが望ましいという答えになります。
ペットの骨壷の処分方法
骨壷から遺骨を取り出して埋葬すれば、その時点で骨壷が不要になります。
あるいは自宅で供養している場合も、いつか手放さなくてはならないときがやってくるかもしれません。それは海外転勤や、結婚で持ち続けることが困難になったからかもしれません。または子孫にまで負担をかけたくないという優しさからでしょう。そして、ペットを愛するがゆえの決断かもしれません。
いずれにしても手放さなければならない事情があれば、あとで「これでよかったんだ」と納得できる形で手放していきましょう。
さて、骨壷は大切な遺骨を保管する大切な仏具のひとつではあります。しかし、空になった段階で他の入れ物と同等の扱いとなり、家庭ゴミ(不燃ゴミ)としてゴミの日に出すことができます。
ですが、これまでずっと愛するペットのご遺骨を保管してくれた骨壷を、ゴミとして捨てるのは良心の呵責もあるかもしれません。
ですので、いままでありがとうの想いを込めて水で洗いお塩で清めて処分するか、神社やペット霊園にお焚き上げを依頼してみましょう。
ペット骨壷のまとめとして
さて、ここまでペット用骨壷の選び方、適切な保管方法、そして処分の仕方などをお話してきました。
人と同じように大切な一つの命としてペットが扱われるようになってきたこの時代であっても、愛するペットが亡くなったときに心にぽっかり大きな穴があいた苦しみは、経験した人にしかわからないでしょう。
ペットロス症候群は言葉にできないほどとても悲しく苦しいものです。
その苦しみを和らげてくれるものの一つが供養としての骨壷です。亡きペットを思い、そこに手を合わせ、祈りをささげることで心に安らぎを感じることができます。
小さなお子さんにとっては、愛するペットが生きた証であるご遺骨を通して命の尊さを知ることもあるでしょう。そしてあなたやご家族が供養していく中で、ペットロスとして空いたその心の傷が癒えて小さく小さくなっていくでしょう。ペット用の骨壷があるのはそのためです。
さて、あなたは目の前にある骨壷に何を思うでしょうか?
本当に大切なのは、「ごめんね、ごめんね」と骨壷の前でずっと泣いていることでしょうか?それとも、溢れ出す涙を拭きながらも、「今まで癒しをありがとう。これからはあなたの分も幸せに生きていくからね。」、と優しく語りかけてあげることでしょうか?言うまでもないですよね。
いつまでも愛するペットと過ごした日々が色あせることがありませんように、そして、いつか虹の橋でまた笑顔で会える日がやってきますように骨壷を通して、あなたの心も癒されますように・・・
愛するペットちゃんのご多幸・ご冥福をお祈り申し上げます。
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