ペットの葬祭や法要というのは、人間の葬祭や法要に比べるとまだまだ一般的とは言えません。そのため分かりづらい点も数多くあるといえるでしょう。
たとえば、
「ペット法要では喪服なのだろうか、それとも普段の服装でもよいのだろうか?」
「四十九日を過ぎたらペットの遺骨を納骨しなければならないのだろうか?」
「僧侶へのお布施は、だいたい幾ら位を包めば良いのだろうか?」
このような疑問を感じたことがないでしょうか?
そこでこの記事では通夜、四十九日法要などペット葬祭に関するあらゆる疑問に一つひとつ答えていきます。
また忌日ごとの法要の流れや手続き方法、準備する持ち物やマナーなどについてもお伝えしていきます。
では、愛するペットのためにもさっそくみていきましょう。
ペット葬祭とは・・・
ペット葬祭とは一体どのようなものでしょうか?
それは、「葬儀」という言葉に、「祭事」という言葉を掛け合わせた
ペットのための「葬儀」と「祭事」のことです。
四字熟語に「冠婚葬祭」というものがありますよね。そちらから成人式の「冠」と結婚式の「婚」を合わせた「冠婚」を省いたもの、それが「葬祭」と思ってもらえれば分かりやすいかもしれません。
「葬祭」=「冠婚葬祭」-「冠婚」
このうち「葬儀」は通夜、告別式などのことです。「祭事」は、法事・法要など神事の儀式を主に表しています。
そして「葬儀」と「祭事」を合わせた「葬祭」によって、ペットを供養し極楽や天国に入れるよう祈り、冥福を願うこと、それが「ペット葬祭」になります。
なお、ペットの「葬儀」に関しては、こちらの記事に詳しく書いてあります。
よって、この記事では「葬儀」の説明は省略し、主に「祭事」にあたる「法要」を取り扱っていきます。
ペットに対して法要を行う2つの意味
さて、愛する亡きペットの成仏を願い、冥福を祈るために行われるもの、それが法要です。
そしてもうひとつ別の意味合いが法要にはあります。
飼い主自身の「心の安寧」を目的とした法要です。
ペットの葬祭という特別な儀式を通し、受け入れられなかったペットの死を受け入れていきます。
それゆえ、ペットロスの症状の改善目的の法要ともいえるでしょう。
さて、ペットは人間の場合と同じように亡くなられて何日、何年経ったかという忌日にしたがって法要が行われます。
たとえば、亡くなって7日目に行われるのが初七日、49日後に行われるのが四十九日忌です。
犬や猫などペットの場合も人間と同じ家族の一員、との考えから、同じように忌日にもとづいた法要が行われます。
ですが、葬儀も法要も必ず行わなければならないわけではありません。飼い主のお気持ち次第で構われません。ご家族と自身の心の安寧とペットの幸せを願う気持ちこそが本質だからです。
以上のことから、当サイトではペット法要を飼い主とペットにとって大切なものとして取り扱っていきます。
月例のペット法要について
一部のペット霊園や寺院、納骨したペット霊園で行われる月例法要に参加することができます。
月例で行われるペット法要では、このあと紹介するように、通夜から始まって、初七日、四十九日法要などの法要があります。必要な際は、月例で決まった日に執り行ってもらうとよいでしょう。
また、月例ペット法要の日に合わせて忌日法要を行うことができます。
ただし、合同墓への埋葬だったり納骨(合同火葬による他のペットと一緒に焼かれた場合などの納骨)の際は、個別法要が基本的にできません。そのため合同法要となるものが一般的です。
個別法要を申し込みたい場合は、ペット霊園に問い合わせましょう。直接またはホームページがあればサイト内検索で「法要」と検索。月例法要の申し込みフォームから記入して送信、あるいはFAXで申し込むなどの方法があります。
参加費用は場所によって異なります。「せたがやペット斎場」を例にとれば、回向・お塔婆込みの参加費用が5,000円、ペット遺品供養は3辺合計100㎝の可燃物で1箱につき5,000円、となっています。ペットとの思い出の品を処分できない場合は、こちらでお焚き上げを依頼されるとよいでしょう。
参考 せたがやペット斎場の月例法要せたがやペット斎場なお、月例法要に参加される際は、ペットの遺影(フォトフレームに納めたもの)を持参し、ペットの好物などをお供えとして持っていかれるとよいでしょう。
忌日ごとにおってみるペット法要の流れ
法要とは、先ほども申し上げたとおり、ペットの冥福を願うためとペットを愛する飼い主やご家族の心の安寧を目的として行われるものです。
ですが、ペット法要は絶対にやらなければならないものではありません。それでも、ペットを家族と同じように考えて大切に送り出してあげたいと思うのでしたら、時間やお金をかけて行うだけの価値はあると言えるでしょう。
では、ここからはペットが息を引き取って旅立たれてからの葬儀と法要の流れを以下の順で見ていきます。
- 通夜
- 告別式
- 初七日
- 三十五日忌(五七日忌)
- 四十九日忌(七七日忌)
- 百か日
- 一周忌
- 三回忌
このうち通夜、告別式、は葬儀に含まれます。
詳細はこのあとの説明にあるリンク先で確認できますので必要の際はご参照ください。
なお、仏式でのペットの法要日がいつになるかは、せたがやペット斎場が提供している法要計算で調べることができます。
参考
法要計算せたがやペット斎場
通夜
通夜は、ペットが亡くなった当時に行われる葬儀です。
通夜となる命日は今後の法要計算や数えに必要になるので忘れないように記録しておきましょう。なお、ペットの通夜は半通夜といって半日だけ線香を焚いたりなどご供養することもあります。ご自宅でしめやかに行われるとよいでしょう。
■通夜についてはこちらをどうぞ
参考
通夜にはペットのご遺体と一緒に過ごしましょうペット供養仏具専門ガイド
告別式
火葬される場合であれば、火葬プランによっては告別式を行うこともできます。
告別式はセレモニーとも呼ばれ、火葬プランに含まれていることもあるものです。
この告別式の中には、僧侶のお経の読経も含まれることがあります。
なお、火葬後に骨壷に納められて手元に戻ってくるペットの遺骨(ただし、合同火葬の場合はそのまま合祀されるのが一般的)は、ペット霊園や寺院で火葬されたのであれば、その日のうちにペット専用墓地や納骨堂に納めることもできます。
あるいは自宅に一旦骨壷を持ち帰り、後日、四十九日忌などのタイミングで納骨するやり方もありますし、自宅のリビングなどにミニ骨壷に納めて仏具とともに手元供養という形や、自然葬にするなど遺骨の取り扱いは飼い主が自由に選べます。
■告別式についてはこちらをどうぞ
参考
ペットの告別式(セレモニー)で、最後の別れを伝えましょうペット供養仏具専門ガイド
初七日忌
ペットの場合は省略されることもありますが、初七日忌は命日も含めて7日目に行われるものです。
そして、忌中法要といって、四十九日までは7日ごとに祈念しご供養していきます。
そのため以下順番に、二七日忌、三七日忌、四七日忌、五七日忌、六七日忌と進み、七七日忌となる四十九日では、極楽浄土へ、ペットの場合は虹の橋のたもとへといけることになっています。
これら忌中法要は、人間の場合もペットの場合も省略できますので、このあとは代表的な三十五日忌(五七日忌)と、四十九日忌(七七日忌)までの忌中法要をみていきましょう。
三十五日忌(五七日忌)
ペットの場合は省略されることもありますが、命日も含めて35日目に行われます。
人間の場合は、この「三十五日忌」を忌明けとする地域もあります。
四十九日忌(七七日忌)
死後の魂があの世にいく(成仏する)ときとされるため、この時に納骨されることが一般的ですがペットの場合はとくにこだわる必要がありません。
また、四十九日に納骨できない場合は前倒しにすることが可能です。
あるいは、納骨せずに手元供養品に納めるなど納骨のタイミングは選べます。
■手元供養品の納骨についてはこちら
参考
ペットの遺骨を手元供養品に納めるペット供養仏具専門ガイド
法要の際の服装は平服(あるいは普段の服)で構いません。ですが、できれば黒や紺など暗めの服または白を貴重とした落ち着いた色合いを選ばれるのが無難です。とくに寺院などであれば他の方への配慮も兼ねて、鮮やかなものは避けましょう。
ペット法要の際のお布施はプランに組み込まれている場合には不要です。
読経などでお気持ちとして渡したい場合は、3000円〜5000円ほどで良いでしょう。
そうではなく、個々人の自宅に来てもらった場合は交通費や諸々を含めて1万円〜をお支払いされるとよいです。
とくに、大きな法要ではそれなりに払われると良いでしょう。
四十九日を過ぎると「忌明け」と言われます。
■さらに詳しくはこちらの記事もご覧ください。
参考
ペットのための主な法要ペット供養仏具専門ガイド
百か日
死後100日目の法要です。悲しみを乗り越えて泣くのを辞める時期です。
この百か日をすぎると年ごとに行われる「年忌法要」となります。
一周忌
亡くなって一年目に行う法要です。数えでなく満で計算するため命日の翌年の同じ日と覚えておけば良いでしょう。
三回忌
亡くなってから満二年目の法要です。つまり、一周忌の翌年の法要となります。
なぜ三回忌と言われるかというと、一周忌以降の年忌法要は数え年で計算されるためです。ですので、三周忌ではなく三回忌であって、命日の満2年目,/b>であることに注意しましょう。
では、ここまでの流れを表にしてみてみましょう。
忌日 | 葬儀・法要の内容や備考 | |
---|---|---|
通夜 | ペットが亡くなった当日 | ペットの遺体を安置して線香をたてる |
告別式 | 一般的に火葬前 | セレモニーとも呼ばれる |
初七日 | 命日を含めて7日目 | ペットの場合省略されることも |
五七日忌 | 命日を含めて35日目 | 三十五日忌とも。省略されることも |
四十九日忌 | 命日を含めて49日目 | 七七日忌とも。納骨の目安(忌明け) |
百か日 | 命日を含めて100日目 | 悲しみを乗る超える目安の時期 |
一周忌 | 命日を含めて満1年目 | (喪明け) |
三回忌 | 命日を含めて満2年目 | 数えで3年目のためこのように呼ばれる |
また、この三回忌以降は七回忌、十三回忌、・・・、と三十三回忌まで続きます。三十三回忌をもって弔い上げとして完全な成仏とみなされます。
ただこちらは人間の場合であってペットの場合、どこまで法要を行うかは飼い主のお気持ち次第です。
お盆、お彼岸など季節の法要(動物供養大祭)
お盆やお彼岸などの季節に行われる法要には、年に数回開催される動物供養大祭があります。
お盆期間はペットの魂があの世から帰ってくる、とされる期間です。ですのでお盆はとくに手厚くもてなしてあげると良いでしょう。また初盆であれば四十九日がすぎて初めのお盆となりますので、このときはさらに手厚くご供養してあげましょう。
お盆のペットご供養の詳細はこちらの記事をお読みください。
お彼岸は、ペットの魂が近づくとされる期間であるので、お墓まいりなどでご供養をされると良いでしょう。春のお彼岸と秋のお彼岸があります。
動物供養大祭は、ペット霊園の規模などによって料金や年間の回数などが変わります。
参加をご希望の際は事前に問い合わせて確認しておきましょう。
ペット葬祭場の選び方
ペット葬祭場を選ぶ際のポイントをお伝えしましょう。
ペット葬祭場は、以下の呼ばれ方をすることが一般的に多くなります。
- ペット霊園
- ペット葬儀者
- ペット火葬場
- ペット葬儀対応の寺院
このどれもがおおよそのところで同じ意味合いですが、それぞれに違いがあります。
ペット霊園とは、ペットの遺骨は納骨する墓地や納骨堂がある霊園のことです。施設内に火葬施設を持っているか併設または連携した火葬場で火葬されます。
参考 ペット霊園でのお葬式ペット供養仏具専門ガイドペット葬儀社とは、基本的には葬儀のみで火葬を行いません。ですが、いまはペット霊園や火葬業者と連携しているため、ペット葬儀社に依頼しても法要だけでなく火葬してもらえます(一部例外もあり)。
参考 ペット葬儀社でのお葬式ペット供養仏具専門ガイドペット火葬場とは文字通り、ペットの火葬を行う場所です。直接ペットを持ち込んで火葬してもらうこともできますが、その際は事前に電話で可能かを確認しましょう。
参考 ペットの民間火葬ペット供養仏具専門ガイド以上のいずれの「ペット葬祭場」を選ぶとしてもトラブルのないように以下の点を注意して選ぶことをおすすめします。ただし、あくまでも目安となります。
動物葬祭ディレクターの在籍の有無
動物葬祭ディレクターは、「動物葬祭ディレクター検定試験」の資格保有者のことをさします。
この資格は「日本動物葬儀霊園協会」が認定しています。
人間の葬祭では厚生労働省が認定している葬祭ディレクター認定審査というものがありますが、その動物葬祭にあたる認定資格であり、ペット葬祭業社11社が設立した民間資格となっています。
動物葬祭ディレクターには1級と2級があります。
その動物葬祭ディレクター1級の資格保有者が在籍していることを確認しましょう
なぜなら、動物葬祭ディレクター1級の受験資格は、実務経験3年以上、でかつ動物葬祭業を1年以上営む経営者という厳しい条件があるためです。
また1級でなくても2級保有者であればペットに限らず動物葬祭のマナー、手続き、法律、ペットロスケアなどについての一定の理解があるため、無資格での葬祭場に比べ一定の信頼がおけるといえるでしょう。
級 | 受験資格条件 |
---|---|
1級 | 動物葬祭の実務経験3年以上の動物葬祭業に従事する従業員。及び動物葬祭業を1年以上営む経営者。 |
2級 | 18歳以上の日本人と日本に永住権のある外国人。 |
そして、厳しい条件の資格である動物葬祭ディレクター1級、もしくは2級の資格保有者が在籍するペット葬祭場であれば安心といえるでしょう。しかし、動物葬祭ディレクターが在籍していない場合であればとくに以下の点で確認されると安心です。
接客マナー・電話対応など
インターネットのサイト情報だけでなく、実際に電話など対応を確認しましょう。
スタッフや受付が適切な応対ができないとすれば、教育不足です。ペットに対しても同様の扱いになる可能性があります。ですので、1件だけですぐ決めるのではなく2件、3件と相見積もりを出したりなど費用面も含めた納得できるペット葬祭場を選択しましょう。
また、利用者の口コミが確認できる場合は確認しましょう。
悪質な葬祭場ではなくてもサービスの質が悪い葬祭場がないとも限りません。まずは自身で確認することがトラブル防止に大切です。
また、出張火葬サービスで自宅に来てもらう場合は、特にこの点に注意しましょう。
出張火葬サービスについては詳しくは、こちらの記事をお読みください。
参考
出張火葬サービスペット供養仏具専門ガイド
まとめ
いかがでしたか?
ここまでペット葬祭についてお話してきました。
最初の方でもお話しましたが、ペットの法要を行う意味は、ペットのためと同時に飼い主やご家族の心の安寧のためです。どちらもあっての法要です。
ペットの旅立ちのあとも法要を通してペットに想いを伝えていきたいですね。
■なお、当サイトではかわいいペット仏具としてすやりんブランドのペット仏具と、人気のクリスタル位牌を多数取り扱っています。
こちらも合わせてご覧くださいね。
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