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仏壇の解説

仏壇とは

仏壇の意味

仏教寺院において本尊を安置する須弥壇しゅみだん(内陣)というものがありますが、仏壇とはその須弥壇を小型化したもので、家庭で先祖や家族の位牌を安置する場所です。言い換えると、仏壇は家の中にある小さなお寺です。

仏壇が普及したのは江戸時代の寺請制度からで、各家に仏壇を置くようになり、朝夕の礼拝と命日に供養を行う習慣が庶民にまで浸透しました。

仏壇の種類

日本の仏壇は大きく分けて3種類あります。

種類 内容
金仏壇(塗仏壇) 白木に漆を塗り、金箔や金粉を施した仏壇。各宗派の本堂(内陣)の様式を模することが一般的。
唐木仏壇 唐木(シタン、コクタン、タガヤサンなどの熱帯地方からの輸入木材)が使用された仏壇。宗派ごとの違いはない
家具調仏壇 現代的な住居に合うようにデザインされた仏壇。小型でモダンなデザインのものが多い。

仏壇を置く場所

仏壇を置く部屋

昔は住居の中に仏間という仏壇を置くための部屋を設けていました。しかし、最近では仏間もない家が多く、いざ仏壇を購入するというときにどこに置けばいいのか分からないことも多いと思います。

仏間がない場合は、例えば和室に仏壇を置くスペースを作るように改築したり、あるいは床の間や居間に置くというのも一つの手です。

スペースの問題の他にも、仏壇を長持ちにさせるために、直射日光を避ける風通しの良い場所に置く、なども留意しておくとよいでしょう。

仏壇の向き・方角

家に仏壇を置くにあたって、どの方角に向けて仏壇を安置するかも気になるポイントです。仏教では仏はどの方角にもいるとされているので、基本的にはどの方角に安置してもよいとされており、実際に家族が落ち着いてお参りができる場所に安置することが何よりも重要と言えます。

また、仏壇の向きに特別な意味を持たせるような考え方も諸説あります。

南面北座説

仏壇を部屋の北側に南向きに安置する考え方です。これは高貴な人が南を向き、家来が北を向くという古代中国の慣習からきていると言われています。

この置き方では仏壇が北側にあるため、直射日光が当たることもなく風通しもよく、仏壇を長持ちさせるためにも最適の置き場所と言えます。逆に、南側は直射日光が当たることが、仏壇を北向きに置いてはならないと言われるようになった理由のひとつになっています。

西方浄土説

極楽浄土のある西に向かって拝めるように仏壇を東側に安置するという考え方です。また、インドの慣習で東は日の出の方角であり、立身出世の象徴とされているため、主人が東に向かって座るという慣習からきているとも言われています。

本山中心説

仏壇を拝むときに宗派の総本山がある方角を向くように仏壇を安置する考え方です。総本山のある方角に安置するため、家の場所によって仏壇を安置する方角が異なります。

神棚と仏壇の位置

神棚がある家の場合は、神棚と仏壇を同じ部屋に安置することは特に問題がありません。しかし、いくつか注意点があります。

まず、神棚と仏壇を向かい合わせにしないことです。これは、片方にお参りするときに片方にお尻を向けることになるからです。向かい合わせは別々の部屋であっても注意したほうがよいとされています。

また、神棚と仏壇を上下に安置するのも避けたほうがよいと言われています。これは家相上よくないという理由なので、そこまで家相を重視しないのであれば大丈夫です。神棚と仏壇を上下に配置する場合は、どちらにお参りしているか分かりやすいように、少しずらして安置することが多いようです。

仏壇の飾り方

宗派ごとの本尊と脇掛の飾り方

仏壇の最上段では中央にそれぞれの宗派のご本尊を安置します。ご本尊は「仏像」の形をしたものや「絵像の掛軸」のものどちらかを飾り、両脇に脇掛というそれぞれの宗派の祖師像や名号の掛軸を安置します。

以下は各宗派の一般的な本尊と脇掛です。お寺や地域ごとに違う場合もあるので、詳しくは菩提寺や仏具店に問い合わせてみるとよいでしょう。

宗派 脇掛(左) 本尊(中央) 脇掛(右)
天台宗 伝教大師 阿弥陀如来 天台大師
真言宗 不動明王 大日如来 弘法大師
浄土宗 法然上人 阿弥陀如来 善導大師
浄土真宗本願寺派 蓮如上人 阿弥陀如来 親鸞上人
浄土真宗大谷派 九字名号 阿弥陀如来 十字名号
臨済宗 各派ごと 釈迦如来 各派ごと
曹洞宗 常済大師 釈迦如来 承陽大師
日蓮宗 大黒天 曼荼羅 鬼子母神

仏壇の位牌の位置

仏壇には先祖や亡くなった家族の位牌を安置します。位牌を安置する場所はご本尊の左右か、一段低いところに安置します。向かって右側が上座、左側が下座になるので、一般的には右から年功序列で安置していきます。

位牌が増えてきて仏壇に収まらなくなった場合などは、複数の位牌をひとつにまとめる繰出位牌くりだしいはいにまとめるとよいでしょう。繰出位牌(回出位牌)はひとつの位牌に10枚程度の札板を入れることができる位牌です。時期としては五十回忌などの弔い上げまでは故人の位牌を安置し、弔い上げ後は先祖代々の繰出位牌にまとめることが多いです。

位牌の安置で気をつけることはご本尊が隠れないようにすることです。

お供えの飾り方

ご本尊・脇掛、位牌の下にはお供えのための仏具を置きます。中央のご本尊の前に仏器膳を置き、仏器膳の上に仏飯器(右側)と茶湯器(左側)を置きます。そして、仏器膳の左右に高月を置きます。

以下は仏具と役割の一覧です。実際に供物をのせる際は半紙を敷いてのせるようにします。

仏具 役割
仏器膳ぶっきぜん 茶湯器・仏器膳を置く台
茶湯器ちゃとうき お供えのお茶や水を入れるための湯呑み
仏飯器ぶっぱんき お供えのご飯を盛るための仏具
高月たかつき お供えのお菓子・果物を盛るための仏具

三具足・五具足の飾り方

最下段には三具足みつぐそくと呼ばれる、香炉・火立・花立で一組をなす仏具を配置します。三具足の基本は中央に香炉、右に火立、左に花立という置き方です。また、香炉一つと、火立て・花立を左右に1つずつ配置する左右対称の五具足ごぐそくという仏具の配置もあります。

さらに三具足・五具足の手前、もしくは下段に線香差・マッチ消やリン・リン棒などを配置します。左側に線香差し・マッチ消しを置き、右側にリン布団を敷き、その上にリンを置きます。リン棒は浄土真宗ではリンの中に置きますが、他の宗派では特に置く場所は決まっていないのでリンのそばに置くことが多いです。

仏具 役割
香炉 お香を焚くための仏具
火立て ろうそくを立てるための台
花立 花を供えるための仏具
リン リン棒で叩いて鳴らし、仏様を呼ぶための仏具
リン棒 リンを叩く棒
線香差 線香を刺しておくための台
マッチ消 使用したマッチを入れるための容器

仏壇に遺影を飾ってもよいか?

仏壇に小さめの遺影を飾る人は少なくありません。仏壇に生前の写真を飾ることについては様々な意見があり、基本的にはご本尊と先祖の位牌を祀る場所なので写真は仏壇の外に置くことを仏壇店なども推奨しているようです。一方で、やはり手を合わせる対象として遺影を飾りたいという人も多く、どうしても飾る場合は本尊が隠れないように仏壇の手前に置くようにします。不安な場合は、菩提寺の住職に相談されてみてもよいでしょう。

ちなみに遺影を仏壇の外に飾る場合は、和室の長押なげし鴨居かもいに飾ることが一般的です。この場合、神棚と同じく仏壇の上は避けたほうがよいと言われていますが、どうしても場所がない場合はやはり神棚と同じように少しずらして配置するようにしてみましょう。

もちろん、最近は和室のない家も珍しくないですから、そういった場合は仏壇に置く人も多いようです。

仏壇のお参りの仕方

基本的には朝夕の2回

家庭内での仏壇へのお供えとお参りは基本的に朝食前と就寝前の2回です。

朝のお参り

  1. 仏壇の扉を開け、掃除を行う
  2. 仏飯、お水(お茶)、お花などをお供えする
  3. 正座してロウソクを灯す
  4. 線香をあげ、リンを鳴らす
  5. 合掌、お経・題目を唱える
  6. ロウソクの火を消し、仏飯を下げる

朝のお参りでは掃除を行い、また仏壇の扉は開けたままにしておきます。

就寝前のお参り

  1. 仏飯をお供えする
  2. 正座してロウソクを灯す
  3. 線香をあげ、リンを鳴らす
  4. 合掌、お経、題目を唱える
  5. ロウソクの火を消し、仏飯を下げる
  6. 仏壇

就寝前は特に火の元を確認するようにしましょう。

仏壇の線香の本数と作法

仏壇で線香をあげる際にもそれぞれの宗派で本数や立て方などに違いがあります。以下は一般的な宗派ごとのやり方ですが、詳しいやり方は菩提寺などに尋ねてみましょう。

宗派 線香の本数と作法
天台宗 3本をまとめて立てる
真言宗 3本を正三角形になるように立てる
浄土宗 特に定めはない
浄土真宗本願寺派 1本を2,3に折って寝かせる
浄土真宗大谷派 1本を2,3に折って寝かせる
臨済宗 1本を立てる
曹洞宗 1本を立てる
日蓮宗 1本または 3本を立てる

仏壇のお参りのマナー

仏壇のお参りに関して押さえて置いたほうがよいマナーは以下の通りです。

  • ロウソクの火を消す際は息を吹きかけて消してはいけません。必ず仏扇・ロウソク消し・香箸などの道具を使うか、手で仰いで消すようにします。
  • リンを鳴らすか鳴らさないかや回数などは特に決まりはありませんが、例外的に浄土真宗では勤行のとき以外はリンを鳴らしません
  • 他家で線香をあげる場合は、相手方の宗派に合わせるか、分からない場合などは自分の宗派の作法でも構わないとされています。
  • 他家のお仏壇にお参りする際は、他宗派のお経は避けたほうがよいでしょう
  • 「不幸があったときは仏壇の扉を閉める」と言われることがありますが、仏教では関係ありません。神道の穢れから来ている考えだと思われます。

仏壇の購入・選び方

仏壇を安置するときは開眼法要が必要

仏壇は家具のようにただ購入して、家に置けばよいというものではなく、魂を入れる法要が必要です。これは開眼法要かいげんほうよう入魂式魂入れなどと呼ばれています。なお、浄土真宗は魂を込めるという概念がないため、御移徙(ごいし、おわたまし)と呼ばれる慶事の法要を営みます。

開眼法要は菩提寺に依頼します。

仏壇を購入する時期

仏壇はもともと先祖供養でなくとも、仏教徒が家庭内で参拝するための小さなお寺です。よく、「生前に仏壇を買うと不幸なことが起こる」と言われることがありますが、これは根拠の無い迷信です。しかしながら、多くの場合は亡くなった家族の位牌を安置しなければならないタイミングで購入を検討する人が多いでしょう。

仏壇を購入するひとつのタイミングが法要です。上記の通り、開眼法要を行う必要があるので、他の法要と開眼法要を一度に済まえば、何度もお坊さんを呼ばなくても済みます。本位牌が作られる四十九日法要から、一周忌・三回忌などの各年忌法要、あるいはお盆法要などに合わせて購入すると良いでしょう。

仏壇の価格と相場

仏壇の価格はデザインや材質、工法などの違いから、10万円前後の仏壇から100万円以上する高級仏壇まで様々です。値段を決めるのは仏壇の大きさや材質、デザインや工法など細部へのこだわりなどです。

金仏壇は各宗派の総本山を模しており、さらに金箔などの華美な装飾がつくので基本的に高額です。逆に都市住宅でも手軽に設置できるミニ仏壇は大きさも小さく、値段もお手頃な物が多いです。唐木位牌は材木の種類や品質によって価格が上下します。

金仏壇の金箔の金の純度は高い方から五毛色、1号色、2号色、3号色、4号色という名前がつけられており、当然純度が高いほうが値段も高いです。また、漆の品質や塗り回数によって価格が変わります。何度も塗り重ねられた漆は価値が高く、耐久性が伸びます。

また、仏壇の有名名産地の中には経済産業省の伝統工芸品に認定されているものもあります。

「伝統的工芸品」とは、次の要件を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号、以下「伝産法」という。)に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます。

  1. 主として日常生活で使用する工芸品であること。
  2. 製造工程のうち、製品の持ち味に大きな影響を与える部分は、手作業が中心であること。
  3. 100年以上の歴史を有し、今日まで継続している伝統的な技術・技法により製造されるものであること。
  4. 主たる原材料が原則として100年以上継続的に使用されていること。
  5. 一定の地域で当該工芸品を製造する事業者がある程度の規模を保ち、地域産業として成立していること。

出典:日用品・伝統的工芸品(METI/経済産業省)

仏壇の予算を考える際は、どの程度の品質をとるかを考える必要があります。

オススメの仏壇店

仏壇は地域の仏壇店や菩提寺からの紹介などがありますが、最近ではネット上で低価格で購入できる店舗があります。

「小さなお仏壇」

定額葬儀ブランド「小さなお葬式」が運営する小さなお仏壇はお仏壇セットを販売していますが、特徴として仏壇に必要な全ての仏具がセットになっており、さらに5万円〜15万円のお手頃な価格で仏壇を購入することができます。

これは問屋を通さずにメーカーから直接仕入れる、ネット販売に特化することであらゆるコストをカットして良質な仏壇をお手頃価格で提供しています。また、「シンプル仏壇」「スタンダード仏壇」「ハイグレード仏壇」など分かりやすいシンプルな価格体系となっており、最近の住宅にマッチするモダンな仏壇から和室に合う唐木調の仏壇まで、仏壇選びがシンプルで分かりやすいのが特徴です。

本位牌も販売しており、一律21,000円の低価格だけでなく、文字入れも無料で行ってくれます。仏壇や位牌は、購入価格にかかわらず全国送料無料です。

「いいお仏壇」

いいお仏壇は「いい葬儀」「いいお墓」など国内最大級のポータルサイトを運営する鎌倉新書が運営しているお仏壇総合情報サイトです。いいお仏壇では全国8,000店舗以上の仏壇店の仏壇を検索できるサービスで、事前に情報を検索して仏壇店で実物を見て購入することが可能です。また、実際に店舗に行って購入した人によるレビューが読めるため、初めて仏壇を購入する人には特にオススメです。

さらに、いいお仏壇から事前にクーポンを発行しておくと、仏壇の購入金額に応じて最大10万円のJCBギフトカードをもらうことができます。実店舗での仏壇の購入を検討している方はいいお仏壇から探すことをおすすめします。

仏壇のお手入れ

仏壇の掃除

仏壇はロウソクの火や線香の煙などもあり、汚れたり傷んだりすることもあるので、こまめな掃除が不可欠です。掃除の際は雑巾よりも柔らかい布を使用する方が良いでしょう。仏壇用クロスというものも販売されています。

仏壇は湿気に弱いので、水拭きをした場合は必ず乾拭きで水分をできるだけ残さないようにすることが必要です。

仏壇の修理・修繕

仏壇内部が黒ずんだり、剥がれたりしたときは早めの修理が必要です。出張修理で済む場合もありますが、お洗濯とも呼ばれる仏壇全体の修理が必要な場合もあり、特に金仏壇の場合は専門の職人による修理が必要です。

仏壇の修理は購入した仏壇店で行うのが鉄則ですが、最近では仏壇の修理・クリーニングの専門の業者もあります。

仏壇の引っ越しと移動

仏壇の引っ越しには閉眼供養と開眼供養が必要

開眼法要を行っている、魂の入った仏壇は基本的にむやみに動かしてはならないものとされています。そのため、引っ越しなどで仏壇を別の場所に移さなければならない場合は、一旦仏壇から魂を抜く閉眼法要を行い、そして移動先で再び開眼法要を行う必要があります。

具体的な仏壇の引っ越し手順は以下の通りです。引っ越しの際、仏壇は一番最後に出し、引越し先では一番最初に入れるという習わしがあります。

  1. 1ヶ月前までに菩提寺に依頼(引越前の閉眼法要の日程と、引越し後の開眼法要の日程)
  2. 引越し日の前日までに閉眼法要(魂抜き)
  3. 引っ越し作業(仏壇は家財道具の一番最後に出し、また引越し先では一番最初に家に入れる)
  4. 引越し後、なるべく早く開眼法要(魂入れ)

なお、最近では引っ越しの際の法要を省略することも多いですが、まずは菩提寺に相談してみることが重要です。菩提寺に無断で仏壇の引っ越しを行うのは避けましょう。

家内での仏壇の移動

本来であれば、仏壇はむやみに移動させてはならないため、例えば家の中で違う部屋に移す場合にも上記のような法要が必要ですが、引っ越しの際の法要でさえ省略されることも多いため、家の中の移動は特に法要は必要ないと考える人も多いようです。

大きな仏壇の場合は、移動の際の事故で怪我や仏壇の損傷などが起こる可能性もあるため、専門の業者にお願いしたほうがよい場合もあります。購入した仏壇店や引越し業者などに依頼しましょう。

仏壇の処分

仏壇の処分の方法

前提として、仏壇を処分する際もやはり仏壇に魂が入ったままの処分はできません。必ず菩提寺に仏壇から魂を抜く閉眼法要を行ってもらう必要があります。

菩提寺にお焚き上げしてもらう

菩提寺によっては閉眼法要を行った後、お仏壇を引き取って処分してくれるところもあるので、まずは菩提寺に相談してみましょう。処分費用はお焚き上げのお布施となるので金額は決まっていないですが、尋ねると金額を明示してくれることも多いので相談してみましょう。

仏壇店に引き取ってもらう

仏壇店に引き取ってもらうこともできます。購入した仏壇店や買い替え先の仏壇店などでは処分費用も無料なところもあるので、引取サービスを行っているかどうか確認してみましょう。

粗大ごみとして出す、専門業者に回収を依頼する

菩提寺にも仏壇店にも引取りができない場合は自治体に粗大ごみとして出す方法があります。各地方自治体で定められている処分費用がかかります。

また、仏壇処分の専門業者に依頼することもできます。費用はかかりますが、大型の仏壇は作業が困難なため、専門の業者に依頼するのもよいでしょう。

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https://memories-in-time.net/wp-content/uploads/2015/05/butsudan-1-1024x576.jpghttps://memories-in-time.net/wp-content/uploads/2015/05/butsudan-1-150x150.jpgおさる仏具・仏壇・位牌のこと
仏壇とは 仏壇の意味 仏教寺院において本尊を安置する須弥壇しゅみだん(内陣)というものがありますが、仏壇とはその須弥壇を小型化したもので、家庭で先祖や家族の位牌を安置する場所です。言い換えると、仏壇は家の中にある小さなお寺です。 仏壇が普及したのは江戸時代の寺請制度からで、各家に仏壇を置くようになり、朝夕の礼拝と命日に供養を行う習慣が庶民にまで浸透しました。 仏壇の種類 日本の仏壇は大きく分けて3種類あります。 種類 内容 金仏壇(塗仏壇) 白木に漆を塗り、金箔や金粉を施した仏壇。各宗派の本堂(内陣)の様式を模することが一般的。 唐木仏壇 唐木(シタン、コクタン、タガヤサンなどの熱帯地方からの輸入木材)が使用された仏壇。宗派ごとの違いはない 家具調仏壇 現代的な住居に合うようにデザインされた仏壇。小型でモダンなデザインのものが多い。 仏壇を置く場所 仏壇を置く部屋 昔は住居の中に仏間という仏壇を置くための部屋を設けていました。しかし、最近では仏間もない家が多く、いざ仏壇を購入するというときにどこに置けばいいのか分からないことも多いと思います。 仏間がない場合は、例えば和室に仏壇を置くスペースを作るように改築したり、あるいは床の間や居間に置くというのも一つの手です。 スペースの問題の他にも、仏壇を長持ちにさせるために、直射日光を避ける、風通しの良い場所に置く、なども留意しておくとよいでしょう。 仏壇の向き・方角 家に仏壇を置くにあたって、どの方角に向けて仏壇を安置するかも気になるポイントです。仏教では仏はどの方角にもいるとされているので、基本的にはどの方角に安置してもよいとされており、実際に家族が落ち着いてお参りができる場所に安置することが何よりも重要と言えます。 また、仏壇の向きに特別な意味を持たせるような考え方も諸説あります。 南面北座説 仏壇を部屋の北側に南向きに安置する考え方です。これは高貴な人が南を向き、家来が北を向くという古代中国の慣習からきていると言われています。 この置き方では仏壇が北側にあるため、直射日光が当たることもなく風通しもよく、仏壇を長持ちさせるためにも最適の置き場所と言えます。逆に、南側は直射日光が当たることが、仏壇を北向きに置いてはならないと言われるようになった理由のひとつになっています。 西方浄土説 極楽浄土のある西に向かって拝めるように仏壇を東側に安置するという考え方です。また、インドの慣習で東は日の出の方角であり、立身出世の象徴とされているため、主人が東に向かって座るという慣習からきているとも言われています。 本山中心説 仏壇を拝むときに宗派の総本山がある方角を向くように仏壇を安置する考え方です。総本山のある方角に安置するため、家の場所によって仏壇を安置する方角が異なります。 神棚と仏壇の位置 神棚がある家の場合は、神棚と仏壇を同じ部屋に安置することは特に問題がありません。しかし、いくつか注意点があります。 まず、神棚と仏壇を向かい合わせにしないことです。これは、片方にお参りするときに片方にお尻を向けることになるからです。向かい合わせは別々の部屋であっても注意したほうがよいとされています。 また、神棚と仏壇を上下に安置するのも避けたほうがよいと言われています。これは家相上よくないという理由なので、そこまで家相を重視しないのであれば大丈夫です。神棚と仏壇を上下に配置する場合は、どちらにお参りしているか分かりやすいように、少しずらして安置することが多いようです。 仏壇の飾り方 宗派ごとの本尊と脇掛の飾り方 仏壇の最上段では中央にそれぞれの宗派のご本尊を安置します。ご本尊は「仏像」の形をしたものや「絵像の掛軸」のものどちらかを飾り、両脇に脇掛というそれぞれの宗派の祖師像や名号の掛軸を安置します。 以下は各宗派の一般的な本尊と脇掛です。お寺や地域ごとに違う場合もあるので、詳しくは菩提寺や仏具店に問い合わせてみるとよいでしょう。 宗派 脇掛(左) 本尊(中央) 脇掛(右) 天台宗 伝教大師 阿弥陀如来 天台大師 真言宗 不動明王 大日如来 弘法大師 浄土宗 法然上人 阿弥陀如来 善導大師 浄土真宗本願寺派 蓮如上人 阿弥陀如来 親鸞上人 浄土真宗大谷派 九字名号 阿弥陀如来 十字名号 臨済宗 各派ごと 釈迦如来 各派ごと 曹洞宗 常済大師 釈迦如来 承陽大師 日蓮宗 大黒天 曼荼羅 鬼子母神 仏壇の位牌の位置 仏壇には先祖や亡くなった家族の位牌を安置します。位牌を安置する場所はご本尊の左右か、一段低いところに安置します。向かって右側が上座、左側が下座になるので、一般的には右から年功序列で安置していきます。 位牌が増えてきて仏壇に収まらなくなった場合などは、複数の位牌をひとつにまとめる繰出位牌くりだしいはいにまとめるとよいでしょう。繰出位牌(回出位牌)はひとつの位牌に10枚程度の札板を入れることができる位牌です。時期としては五十回忌などの弔い上げまでは故人の位牌を安置し、弔い上げ後は先祖代々の繰出位牌にまとめることが多いです。 位牌の安置で気をつけることはご本尊が隠れないようにすることです。 お供えの飾り方 ご本尊・脇掛、位牌の下にはお供えのための仏具を置きます。中央のご本尊の前に仏器膳を置き、仏器膳の上に仏飯器(右側)と茶湯器(左側)を置きます。そして、仏器膳の左右に高月を置きます。 以下は仏具と役割の一覧です。実際に供物をのせる際は半紙を敷いてのせるようにします。 仏具 役割 仏器膳ぶっきぜん 茶湯器・仏器膳を置く台 茶湯器ちゃとうき お供えのお茶や水を入れるための湯呑み 仏飯器ぶっぱんき お供えのご飯を盛るための仏具 高月たかつき お供えのお菓子・果物を盛るための仏具 三具足・五具足の飾り方 最下段には三具足みつぐそくと呼ばれる、香炉・火立・花立で一組をなす仏具を配置します。三具足の基本は中央に香炉、右に火立、左に花立という置き方です。また、香炉一つと、火立て・花立を左右に1つずつ配置する左右対称の五具足ごぐそくという仏具の配置もあります。 さらに三具足・五具足の手前、もしくは下段に線香差・マッチ消やリン・リン棒などを配置します。左側に線香差し・マッチ消しを置き、右側にリン布団を敷き、その上にリンを置きます。リン棒は浄土真宗ではリンの中に置きますが、他の宗派では特に置く場所は決まっていないのでリンのそばに置くことが多いです。 仏具 役割 香炉 お香を焚くための仏具 火立て ろうそくを立てるための台 花立 花を供えるための仏具 リン リン棒で叩いて鳴らし、仏様を呼ぶための仏具 リン棒 リンを叩く棒 線香差 線香を刺しておくための台 マッチ消 使用したマッチを入れるための容器 仏壇に遺影を飾ってもよいか? 仏壇に小さめの遺影を飾る人は少なくありません。仏壇に生前の写真を飾ることについては様々な意見があり、基本的にはご本尊と先祖の位牌を祀る場所なので写真は仏壇の外に置くことを仏壇店なども推奨しているようです。一方で、やはり手を合わせる対象として遺影を飾りたいという人も多く、どうしても飾る場合は本尊が隠れないように仏壇の手前に置くようにします。不安な場合は、菩提寺の住職に相談されてみてもよいでしょう。 ちなみに遺影を仏壇の外に飾る場合は、和室の長押なげし・鴨居かもいに飾ることが一般的です。この場合、神棚と同じく仏壇の上は避けたほうがよいと言われていますが、どうしても場所がない場合はやはり神棚と同じように少しずらして配置するようにしてみましょう。 もちろん、最近は和室のない家も珍しくないですから、そういった場合は仏壇に置く人も多いようです。 仏壇のお参りの仕方 基本的には朝夕の2回 家庭内での仏壇へのお供えとお参りは基本的に朝食前と就寝前の2回です。 朝のお参り 仏壇の扉を開け、掃除を行う 仏飯、お水(お茶)、お花などをお供えする 正座してロウソクを灯す 線香をあげ、リンを鳴らす 合掌、お経・題目を唱える ロウソクの火を消し、仏飯を下げる 朝のお参りでは掃除を行い、また仏壇の扉は開けたままにしておきます。 就寝前のお参り 仏飯をお供えする 正座してロウソクを灯す 線香をあげ、リンを鳴らす 合掌、お経、題目を唱える ロウソクの火を消し、仏飯を下げる 仏壇 就寝前は特に火の元を確認するようにしましょう。 仏壇の線香の本数と作法 仏壇で線香をあげる際にもそれぞれの宗派で本数や立て方などに違いがあります。以下は一般的な宗派ごとのやり方ですが、詳しいやり方は菩提寺などに尋ねてみましょう。 宗派 線香の本数と作法 天台宗 3本をまとめて立てる 真言宗 3本を正三角形になるように立てる 浄土宗 特に定めはない 浄土真宗本願寺派 1本を2,3に折って寝かせる 浄土真宗大谷派 1本を2,3に折って寝かせる 臨済宗 1本を立てる 曹洞宗 1本を立てる 日蓮宗 1本または 3本を立てる 仏壇のお参りのマナー 仏壇のお参りに関して押さえて置いたほうがよいマナーは以下の通りです。 ロウソクの火を消す際は息を吹きかけて消してはいけません。必ず仏扇・ロウソク消し・香箸などの道具を使うか、手で仰いで消すようにします。 リンを鳴らすか鳴らさないかや回数などは特に決まりはありませんが、例外的に浄土真宗では勤行のとき以外はリンを鳴らしません 他家で線香をあげる場合は、相手方の宗派に合わせるか、分からない場合などは自分の宗派の作法でも構わないとされています。 他家のお仏壇にお参りする際は、他宗派のお経は避けたほうがよいでしょう 「不幸があったときは仏壇の扉を閉める」と言われることがありますが、仏教では関係ありません。神道の穢れから来ている考えだと思われます。 仏壇の購入・選び方 仏壇を安置するときは開眼法要が必要 仏壇は家具のようにただ購入して、家に置けばよいというものではなく、魂を入れる法要が必要です。これは開眼法要かいげんほうようや入魂式、魂入れなどと呼ばれています。なお、浄土真宗は魂を込めるという概念がないため、御移徙(ごいし、おわたまし)と呼ばれる慶事の法要を営みます。 開眼法要は菩提寺に依頼します。 仏壇を購入する時期 仏壇はもともと先祖供養でなくとも、仏教徒が家庭内で参拝するための小さなお寺です。よく、「生前に仏壇を買うと不幸なことが起こる」と言われることがありますが、これは根拠の無い迷信です。しかしながら、多くの場合は亡くなった家族の位牌を安置しなければならないタイミングで購入を検討する人が多いでしょう。 仏壇を購入するひとつのタイミングが法要です。上記の通り、開眼法要を行う必要があるので、他の法要と開眼法要を一度に済まえば、何度もお坊さんを呼ばなくても済みます。本位牌が作られる四十九日法要から、一周忌・三回忌などの各年忌法要、あるいはお盆法要などに合わせて購入すると良いでしょう。 仏壇の価格と相場 仏壇の価格はデザインや材質、工法などの違いから、10万円前後の仏壇から100万円以上する高級仏壇まで様々です。値段を決めるのは仏壇の大きさや材質、デザインや工法など細部へのこだわりなどです。 金仏壇は各宗派の総本山を模しており、さらに金箔などの華美な装飾がつくので基本的に高額です。逆に都市住宅でも手軽に設置できるミニ仏壇は大きさも小さく、値段もお手頃な物が多いです。唐木位牌は材木の種類や品質によって価格が上下します。 金仏壇の金箔の金の純度は高い方から五毛色、1号色、2号色、3号色、4号色という名前がつけられており、当然純度が高いほうが値段も高いです。また、漆の品質や塗り回数によって価格が変わります。何度も塗り重ねられた漆は価値が高く、耐久性が伸びます。 また、仏壇の有名名産地の中には経済産業省の伝統工芸品に認定されているものもあります。 「伝統的工芸品」とは、次の要件を全て満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号、以下「伝産法」という。)に基づく経済産業大臣の指定を受けた工芸品のことをいいます。 主として日常生活で使用する工芸品であること。 製造工程のうち、製品の持ち味に大きな影響を与える部分は、手作業が中心であること。 100年以上の歴史を有し、今日まで継続している伝統的な技術・技法により製造されるものであること。 主たる原材料が原則として100年以上継続的に使用されていること。 一定の地域で当該工芸品を製造する事業者がある程度の規模を保ち、地域産業として成立していること。 出典:日用品・伝統的工芸品(METI/経済産業省) 仏壇の予算を考える際は、どの程度の品質をとるかを考える必要があります。 オススメの仏壇店 仏壇は地域の仏壇店や菩提寺からの紹介などがありますが、最近ではネット上で低価格で購入できる店舗があります。 「小さなお仏壇」 定額葬儀ブランド「小さなお葬式」が運営する小さなお仏壇はお仏壇セットを販売していますが、特徴として仏壇に必要な全ての仏具がセットになっており、さらに5万円〜15万円のお手頃な価格で仏壇を購入することができます。 これは問屋を通さずにメーカーから直接仕入れる、ネット販売に特化することであらゆるコストをカットして良質な仏壇をお手頃価格で提供しています。また、「シンプル仏壇」「スタンダード仏壇」「ハイグレード仏壇」など分かりやすいシンプルな価格体系となっており、最近の住宅にマッチするモダンな仏壇から和室に合う唐木調の仏壇まで、仏壇選びがシンプルで分かりやすいのが特徴です。 本位牌も販売しており、一律21,000円の低価格だけでなく、文字入れも無料で行ってくれます。仏壇や位牌は、購入価格にかかわらず全国送料無料です。 「いいお仏壇」 いいお仏壇は「いい葬儀」「いいお墓」など国内最大級のポータルサイトを運営する鎌倉新書が運営しているお仏壇総合情報サイトです。いいお仏壇では全国8,000店舗以上の仏壇店の仏壇を検索できるサービスで、事前に情報を検索して仏壇店で実物を見て購入することが可能です。また、実際に店舗に行って購入した人によるレビューが読めるため、初めて仏壇を購入する人には特にオススメです。 さらに、いいお仏壇から事前にクーポンを発行しておくと、仏壇の購入金額に応じて最大10万円のJCBギフトカードをもらうことができます。実店舗での仏壇の購入を検討している方はいいお仏壇から探すことをおすすめします。 仏壇のお手入れ 仏壇の掃除 仏壇はロウソクの火や線香の煙などもあり、汚れたり傷んだりすることもあるので、こまめな掃除が不可欠です。掃除の際は雑巾よりも柔らかい布を使用する方が良いでしょう。仏壇用クロスというものも販売されています。 仏壇は湿気に弱いので、水拭きをした場合は必ず乾拭きで水分をできるだけ残さないようにすることが必要です。 仏壇の修理・修繕 仏壇内部が黒ずんだり、剥がれたりしたときは早めの修理が必要です。出張修理で済む場合もありますが、お洗濯とも呼ばれる仏壇全体の修理が必要な場合もあり、特に金仏壇の場合は専門の職人による修理が必要です。 仏壇の修理は購入した仏壇店で行うのが鉄則ですが、最近では仏壇の修理・クリーニングの専門の業者もあります。 仏壇の引っ越しと移動 仏壇の引っ越しには閉眼供養と開眼供養が必要 開眼法要を行っている、魂の入った仏壇は基本的にむやみに動かしてはならないものとされています。そのため、引っ越しなどで仏壇を別の場所に移さなければならない場合は、一旦仏壇から魂を抜く閉眼法要を行い、そして移動先で再び開眼法要を行う必要があります。 具体的な仏壇の引っ越し手順は以下の通りです。引っ越しの際、仏壇は一番最後に出し、引越し先では一番最初に入れるという習わしがあります。 1ヶ月前までに菩提寺に依頼(引越前の閉眼法要の日程と、引越し後の開眼法要の日程) 引越し日の前日までに閉眼法要(魂抜き) 引っ越し作業(仏壇は家財道具の一番最後に出し、また引越し先では一番最初に家に入れる) 引越し後、なるべく早く開眼法要(魂入れ) なお、最近では引っ越しの際の法要を省略することも多いですが、まずは菩提寺に相談してみることが重要です。菩提寺に無断で仏壇の引っ越しを行うのは避けましょう。 家内での仏壇の移動 本来であれば、仏壇はむやみに移動させてはならないため、例えば家の中で違う部屋に移す場合にも上記のような法要が必要ですが、引っ越しの際の法要でさえ省略されることも多いため、家の中の移動は特に法要は必要ないと考える人も多いようです。 大きな仏壇の場合は、移動の際の事故で怪我や仏壇の損傷などが起こる可能性もあるため、専門の業者にお願いしたほうがよい場合もあります。購入した仏壇店や引越し業者などに依頼しましょう。 仏壇の処分 仏壇の処分の方法 前提として、仏壇を処分する際もやはり仏壇に魂が入ったままの処分はできません。必ず菩提寺に仏壇から魂を抜く閉眼法要を行ってもらう必要があります。 菩提寺にお焚き上げしてもらう 菩提寺によっては閉眼法要を行った後、お仏壇を引き取って処分してくれるところもあるので、まずは菩提寺に相談してみましょう。処分費用はお焚き上げのお布施となるので金額は決まっていないですが、尋ねると金額を明示してくれることも多いので相談してみましょう。 仏壇店に引き取ってもらう 仏壇店に引き取ってもらうこともできます。購入した仏壇店や買い替え先の仏壇店などでは処分費用も無料なところもあるので、引取サービスを行っているかどうか確認してみましょう。 粗大ごみとして出す、専門業者に回収を依頼する 菩提寺にも仏壇店にも引取りができない場合は自治体に粗大ごみとして出す方法があります。各地方自治体で定められている処分費用がかかります。 また、仏壇処分の専門業者に依頼することもできます。費用はかかりますが、大型の仏壇は作業が困難なため、専門の業者に依頼するのもよいでしょう。