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パパ
パパは献体に登録するぞ。
おさる
おや、どうしたんですか急に。
パパ
医学生の解剖実習に遺体を提供したら、葬儀費用は大学が負担してくれるっていうじゃないか。医療の発展に貢献できるし、いいことづくめだと思ってさ。
おさる
パパさん、勘違いしてますよ。
とはいえ、死後にできる数少ない社会貢献なので、献体の正しい知識は知っておいたほうが良いかもしれませんね。

目次

献体とは

医学の発展のために遺体を大学に提供すること

日本篤志献体協会によると献体とは次のことを指します。

 献体とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。
「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究のために役立てたい」とこころざした人が、生前から献体したい大学またはこれに関連した団体に名前を登録しておき(「献体登録をするには」参照)、亡くなられた時、遺族あるいは関係者がその遺志にしたがって遺体を大学に提供することによって、はじめて献体が実行されることになります。

公益財団法人 日本篤志献体協会より

献体は医者や歯科医を目指す学生達に必要な「解剖学実習」において使用される遺体を無条件・無報酬で提供することを指します。

解剖学実習の必要性

医師を養成する過程において解剖学の実習は最も重要な基礎として位置づけられてきていました。
単に人体の構造を知り解剖学の知識を得るだけでなく、実際に提供された人体にメスを入れることにより、医師としての精神性を育てる意味合いも強いのです。

献体数の増加傾向

献体は医学生には二人に一人、歯学生には四人に一人が基準となっていましたが、かつては献体不足でこの基準を下回っていたこともありました。その後、献体運動が盛り上がり、現在では検体数が年々増加しています。

篤志解剖全国連合会によると、登録者数は累計で、1988年度は計約10万人だったが、2008年度は計約23万3千人に。高齢者が大半だ。88年度に解剖された3653人のうち、献体の割合は56%だったが、08年度は3407人のうち95%にまで増えた=図。献体以外は、行き倒れなどの死者だ。

「献体登録、20年で倍 解剖実習のための遺体提供 家族関係の薄さ反映?」 朝日新聞

登録者数は20年で倍増し、解剖されたうちの献体の割合も大幅に向上していることが分かります。最近では、人口の多い地域では登録を制限している大学もある一方で、人口の少ない地域の大学では献体数が不足するなど、地域ごとのアンバランスさも課題となっています。

パパ
へー、献体はものすごい勢いで増えているんだな。
おさる
そうなんですよ。著名人が献体したり、小説に取り上げられたりして社会的認知度も向上しています。
兄ちゃん
あー、「死体洗いのアルバイト」って聞いたことある!あれも献体だよね。
おさる
それは有名な都市伝説ですね。おそらく、出処は小説家の大江健三郎の『死者の奢り』です。アルバイトの学生が献体された遺体をアルコールのプールに浮かぶ遺体を洗う描写がありますが、もちろん実態とは異なります。

お葬式と献体

献体では搬送費用と火葬費用については大学が負担してくれる

献体の増加傾向にあるのは、献体運動や世間の献体への認知度が高まったことが大きな要因ですが、最近では「献体をすれば葬儀費用を大学が負担してくれる」と考える人も多いようです。

正しくは献体を行うと火葬費用搬送費用については大学が負担してくれることになります。

したがって、火葬だけで済ませるのであれば葬儀にかかる費用は確かにごくわずかになりますが、通常通り通夜や告別式を行う場合は火葬費用と大学までの搬送費用を除いた葬儀代は当然遺族負担になります。

献体後に遺骨が帰ってくるのは1年以上かかる

なお、献体したからといってすぐに遺骨が帰ってくるわけではありません。献体後に遺骨が帰ってくるのは、通常だと1〜2年後、長い場合は3年以上かかる場合があります。

これは防腐処理等の解剖準備期間に3〜6ヶ月、実際の解剖実習期間に3〜7ヶ月かかることや、
解剖実習のカリキュラムの関係で翌年に繰り越されたり、献体の数によって左右されるためです。

献体前に葬儀をするか、献体後に葬儀をするか

献体を行う際に葬儀を行う場合、献体前に葬儀をするか、献体後に葬儀をするかの2つの選択肢があります。

献体前に葬儀を行う場合

献体はできるだけ早く提供されることが望まれていますが、48時間以内が目安とされているので、事前に通夜・告別式を済ませることも可能です。
この場合は告別式を終え、本来なら火葬場へ向けて搬送するところを、献体登録を行っている大学へ搬送します。

また、あらかじめ大学へ搬送した上で遺体なしで通夜・告別式を行うこともできます。

献体後に葬儀を行う場合

献体後に遺骨が帰ってくるのは1年以上かかり、火葬後に遺骨の形で遺族の元に帰ってきます。

献体後に葬儀を行う場合は遺体の代わりに遺骨を安置して葬儀を執り行う骨葬という葬儀の形態を取ります。
しかし、やはり遺骨は長期間帰ってこないため、献体前に葬儀を済ませておくのがベストでしょう。

遺骨を受け取る人がいない場合

身寄りがなく、遺骨を受け取ってくれる人がいない場合は、基本的には遺骨は大学が用意した納骨堂などに合祀されます。
大学では毎年慰霊祭の形で供養も行ってくれます。
しかし、大学によっては納骨堂がない場合もあり、もし献体を希望する場合は最終的に遺骨がどこに行くのかをよく確認しておく必要があるでしょう。

パパ
葬儀費用って遺体を運ぶ費用と火葬費用のことだったのか。
おさる
そうなんです。ご遺体は解剖されるので必ず火葬をして遺骨の形でお返しするんですね。

 

 献体の手続き

希望する大学の医学部・歯学部へ申し込み

献体の申込書をもらう

献体の申込書をもらうには、献体の会や医学部・歯学部に問い合わせ、自宅に郵送してもらいます。
必要事項を記入押印し、郵送することで申し込みが可能です。

家族の同意が必要

献体は基本的には自分の住んでいる地域の大学の医学部・歯学部に献体登録の手続きが必要です。
大学ごとに細かい決まりは異なりますが、手続きにあたって家族の同意が必要です。

近くの大学に限る

死後、できるだけ早く搬送する必要があるため、登録できる大学も住んでいる地域の大学に限定されます。
そのため、人口の多い都市部では献体数を制限しなければならないほど多く、逆に人口の少ない地方では少なくする必要があります。

もし、献体登録後に遠方の地域へ引っ越す場合は、改めて引越し先の大学に登録しなければなりません。

年齢制限とドナー登録の可否

大学によっては登録に年齢制限を設けているところもあります。
一般的には高齢者が優先的に登録される事が多いようです。

また、臓器提供のドナー登録もしている場合、献体の登録ができる大学とできない大学が存在します。
献体とドナー両方に登録ができる大学であっても、亡くなった時にはどちらかしか実行できません

病気や障害を持っていた場合、手術をした場合でも献体は可能か

具体的には献体を希望する大学との相談が必要ですが、解剖学実習の上で健康な遺体との比較も可能になるため、献体は可能な場合もあります。
詳しくは献体を希望する大学に問い合わせる必要があります。

会員証・献体登録証を発行してもらう

死亡時の連絡に必要な事柄が記載されている

申し込みが受理されたら、会員証・献体登録証が発行されます。
これらには、献体先の大学名死亡時の連絡先が記載されているので、大切に保管する必要があります。

家族に献体の手続きをしてもらうために必要なこと

献体の手続きをするときは当然ですが登録者本人は亡くなっています。
そのため、家族が円滑に手続きを行えるように生前に準備しておくことが何よりも大事なのです。

献体の会員証は家族に分かる場所に大切に保管しておきましょう。
家族で旅行に出かけるときなどは、もしものときに備えて身につけておくことも大事です。

亡くなったら献体の実行

会員証・献体登録証に記載されている大学に電話

献体登録者が亡くなった場合は、家族は会員証・献体登録証に記載されている大学の連絡先へ速やかに連絡します。
遺体の引き取り日時や手順を大学と相談します。

献体前に葬儀を行う場合は、葬儀社にも連絡

葬儀を行う場合は葬儀社にも連絡をいれ、献体を行うことを伝えておきましょう。
葬儀社に葬儀のタイムスケジュールを確認し、告別式の出棺のタイミングで大学に搬送する手はずを整えます。

普通の葬儀との違いは、告別式の後、火葬場ではなく大学へ搬送することのみです。

献体を行う際にも家族の同意が必要

献体の登録にも家族の同意が必要ですが、献体を実行する際にも改めて家族の同意を求めます。
必要な人数は団体によって異なりますが、一人でも反対がある場合は基本的には献体は実行されません

生前に家族に十分な理解してもらうことが、献体を行う上で最も重要です。

遺骨の返還

遺体は火葬後に返還される

献体した遺体は解剖学実習に使用された後、火葬をして遺骨の形で遺族に返還されます。
火葬は原則として遺族の立ち会いは許されていないところが多いようです。

遺骨の返還時期は一般的に1年以上。2〜3年かかることも。

献体をした遺体は防腐処理を経て保管され、カリキュラムに沿って解剖学実習に使用されます。
返還されるまでに2〜3年かかることもあります。

慰霊祭と遺骨返還式と納骨

多くの大学では大学の教授や医師、学生による厳粛な慰霊祭が毎年開かれています。
遺骨の返還もこの慰霊祭にあわせて遺骨返還式という形で行う事が多いようです。

また、引き取り手のいない遺骨や希望者は、大学の納骨堂に合祀されます。

パパ
自分だけがやる気になっても献体はスムーズに実行できないんだな。
おさる
ええ。ご自身が固い決意で献体を望まれていても、家族は遺体にメスを入れる決断を強いられるわけですから、やはり事前に家族と献体に対する意志を共有しておくことが大事ですね。

献体の問題点や注意点

献体の動機の問題

「葬儀代を浮かすため」はNG

献体はあくまでも医者や歯科医を育てるという医療の発展のために行われる無条件・無報酬の行為です。
当然ですが、火葬費用や納骨の費用を浮かせるために献体を利用するのは、献体制度の趣旨に反しています。

家族に迷惑をかけたくないので献体に登録したい

家族に迷惑をかけたくないという理由で献体を選ぶという人も増えているようです。
この場合は葬儀を開かずに献体を行うよう希望することが多いようです。

しかし、家族としては親戚などの関係で葬儀を開かないわけにはいかない場合もあり、
遺骨が返還される時期も不明で、逆に混乱させてしまうことにも繋がる可能性があります。

献体ができないケースもある

臓器提供を行う場合

臓器提供のドナー登録者であっても登録を受付けている大学もありますが、実際に亡くなった場合は臓器提供か献体かどちらかを選択肢なければなりません

もし、献体を強く希望している場合は、生前に家族にその意志を強く伝えておくことが必要です。

なお、角膜を提供する献眼であれば、献体も受け付けている大学もあります。
角膜を提供する場合は、死後なるべく早く摘出する必要があります。摘出手術後に、通常通り通夜・告別式を行い、献体を実行することも可能です。

病理解剖や行政解剖など、解剖を行った場合

亡くなった時の状況によっては、病理解剖や行政解剖が行われる場合もあります。
事前に解剖が行われた場合は献体を実行することができません。

感染症などで死亡した場合

遺体は解剖学実習に使用できる状態であるほか、感染症などで死亡した場合も献体を断れる場合があります。

パパ
家族に迷惑をかけたくなくて献体を選んでも、結果として家族が混乱するだけになることもあるのか。
おさる
献体は2〜3年間遺骨が帰ってこないことがほとんどです。一周忌や三回忌などの法要も、遺骨不在で行うことになるので、家族の強い理解と、何より献体の趣旨を本人と家族で共有することが何よりも重要です。
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https://memories-in-time.net/wp-content/uploads/2015/07/kentai-1024x576.jpghttps://memories-in-time.net/wp-content/uploads/2015/07/kentai-150x150.jpgおさる葬儀に関する手続き
献体とは 医学の発展のために遺体を大学に提供すること 日本篤志献体協会によると献体とは次のことを指します。  献体とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育・研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。 「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究のために役立てたい」とこころざした人が、生前から献体したい大学またはこれに関連した団体に名前を登録しておき(「献体登録をするには」参照)、亡くなられた時、遺族あるいは関係者がその遺志にしたがって遺体を大学に提供することによって、はじめて献体が実行されることになります。 公益財団法人 日本篤志献体協会より 献体は医者や歯科医を目指す学生達に必要な「解剖学実習」において使用される遺体を無条件・無報酬で提供することを指します。 解剖学実習の必要性 医師を養成する過程において解剖学の実習は最も重要な基礎として位置づけられてきていました。 単に人体の構造を知り解剖学の知識を得るだけでなく、実際に提供された人体にメスを入れることにより、医師としての精神性を育てる意味合いも強いのです。 献体数の増加傾向 献体は医学生には二人に一人、歯学生には四人に一人が基準となっていましたが、かつては献体不足でこの基準を下回っていたこともありました。その後、献体運動が盛り上がり、現在では検体数が年々増加しています。 篤志解剖全国連合会によると、登録者数は累計で、1988年度は計約10万人だったが、2008年度は計約23万3千人に。高齢者が大半だ。88年度に解剖された3653人のうち、献体の割合は56%だったが、08年度は3407人のうち95%にまで増えた=図。献体以外は、行き倒れなどの死者だ。 「献体登録、20年で倍 解剖実習のための遺体提供 家族関係の薄さ反映?」 朝日新聞 登録者数は20年で倍増し、解剖されたうちの献体の割合も大幅に向上していることが分かります。最近では、人口の多い地域では登録を制限している大学もある一方で、人口の少ない地域の大学では献体数が不足するなど、地域ごとのアンバランスさも課題となっています。 お葬式と献体 献体では搬送費用と火葬費用については大学が負担してくれる 献体の増加傾向にあるのは、献体運動や世間の献体への認知度が高まったことが大きな要因ですが、最近では「献体をすれば葬儀費用を大学が負担してくれる」と考える人も多いようです。 正しくは献体を行うと火葬費用と搬送費用については大学が負担してくれることになります。 したがって、火葬だけで済ませるのであれば葬儀にかかる費用は確かにごくわずかになりますが、通常通り通夜や告別式を行う場合は火葬費用と大学までの搬送費用を除いた葬儀代は当然遺族負担になります。 献体後に遺骨が帰ってくるのは1年以上かかる なお、献体したからといってすぐに遺骨が帰ってくるわけではありません。献体後に遺骨が帰ってくるのは、通常だと1〜2年後、長い場合は3年以上かかる場合があります。 これは防腐処理等の解剖準備期間に3〜6ヶ月、実際の解剖実習期間に3〜7ヶ月かかることや、 解剖実習のカリキュラムの関係で翌年に繰り越されたり、献体の数によって左右されるためです。 献体前に葬儀をするか、献体後に葬儀をするか 献体を行う際に葬儀を行う場合、献体前に葬儀をするか、献体後に葬儀をするかの2つの選択肢があります。 献体前に葬儀を行う場合 献体はできるだけ早く提供されることが望まれていますが、48時間以内が目安とされているので、事前に通夜・告別式を済ませることも可能です。 この場合は告別式を終え、本来なら火葬場へ向けて搬送するところを、献体登録を行っている大学へ搬送します。 また、あらかじめ大学へ搬送した上で遺体なしで通夜・告別式を行うこともできます。 献体後に葬儀を行う場合 献体後に遺骨が帰ってくるのは1年以上かかり、火葬後に遺骨の形で遺族の元に帰ってきます。 献体後に葬儀を行う場合は遺体の代わりに遺骨を安置して葬儀を執り行う骨葬という葬儀の形態を取ります。 しかし、やはり遺骨は長期間帰ってこないため、献体前に葬儀を済ませておくのがベストでしょう。 遺骨を受け取る人がいない場合 身寄りがなく、遺骨を受け取ってくれる人がいない場合は、基本的には遺骨は大学が用意した納骨堂などに合祀されます。 大学では毎年慰霊祭の形で供養も行ってくれます。 しかし、大学によっては納骨堂がない場合もあり、もし献体を希望する場合は最終的に遺骨がどこに行くのかをよく確認しておく必要があるでしょう。    献体の手続き 希望する大学の医学部・歯学部へ申し込み 献体の申込書をもらう 献体の申込書をもらうには、献体の会や医学部・歯学部に問い合わせ、自宅に郵送してもらいます。 必要事項を記入押印し、郵送することで申し込みが可能です。 家族の同意が必要 献体は基本的には自分の住んでいる地域の大学の医学部・歯学部に献体登録の手続きが必要です。 大学ごとに細かい決まりは異なりますが、手続きにあたって家族の同意が必要です。 近くの大学に限る 死後、できるだけ早く搬送する必要があるため、登録できる大学も住んでいる地域の大学に限定されます。 そのため、人口の多い都市部では献体数を制限しなければならないほど多く、逆に人口の少ない地方では少なくする必要があります。 もし、献体登録後に遠方の地域へ引っ越す場合は、改めて引越し先の大学に登録しなければなりません。 年齢制限とドナー登録の可否 大学によっては登録に年齢制限を設けているところもあります。 一般的には高齢者が優先的に登録される事が多いようです。 また、臓器提供のドナー登録もしている場合、献体の登録ができる大学とできない大学が存在します。 献体とドナー両方に登録ができる大学であっても、亡くなった時にはどちらかしか実行できません。 病気や障害を持っていた場合、手術をした場合でも献体は可能か 具体的には献体を希望する大学との相談が必要ですが、解剖学実習の上で健康な遺体との比較も可能になるため、献体は可能な場合もあります。 詳しくは献体を希望する大学に問い合わせる必要があります。 会員証・献体登録証を発行してもらう 死亡時の連絡に必要な事柄が記載されている 申し込みが受理されたら、会員証・献体登録証が発行されます。 これらには、献体先の大学名と死亡時の連絡先が記載されているので、大切に保管する必要があります。 家族に献体の手続きをしてもらうために必要なこと 献体の手続きをするときは当然ですが登録者本人は亡くなっています。 そのため、家族が円滑に手続きを行えるように生前に準備しておくことが何よりも大事なのです。 献体の会員証は家族に分かる場所に大切に保管しておきましょう。 家族で旅行に出かけるときなどは、もしものときに備えて身につけておくことも大事です。 亡くなったら献体の実行 会員証・献体登録証に記載されている大学に電話 献体登録者が亡くなった場合は、家族は会員証・献体登録証に記載されている大学の連絡先へ速やかに連絡します。 遺体の引き取り日時や手順を大学と相談します。 献体前に葬儀を行う場合は、葬儀社にも連絡 葬儀を行う場合は葬儀社にも連絡をいれ、献体を行うことを伝えておきましょう。 葬儀社に葬儀のタイムスケジュールを確認し、告別式の出棺のタイミングで大学に搬送する手はずを整えます。 普通の葬儀との違いは、告別式の後、火葬場ではなく大学へ搬送することのみです。 献体を行う際にも家族の同意が必要 献体の登録にも家族の同意が必要ですが、献体を実行する際にも改めて家族の同意を求めます。 必要な人数は団体によって異なりますが、一人でも反対がある場合は基本的には献体は実行されません。 生前に家族に十分な理解してもらうことが、献体を行う上で最も重要です。 遺骨の返還 遺体は火葬後に返還される 献体した遺体は解剖学実習に使用された後、火葬をして遺骨の形で遺族に返還されます。 火葬は原則として遺族の立ち会いは許されていないところが多いようです。 遺骨の返還時期は一般的に1年以上。2〜3年かかることも。 献体をした遺体は防腐処理を経て保管され、カリキュラムに沿って解剖学実習に使用されます。 返還されるまでに2〜3年かかることもあります。 慰霊祭と遺骨返還式と納骨 多くの大学では大学の教授や医師、学生による厳粛な慰霊祭が毎年開かれています。 遺骨の返還もこの慰霊祭にあわせて遺骨返還式という形で行う事が多いようです。 また、引き取り手のいない遺骨や希望者は、大学の納骨堂に合祀されます。 献体の問題点や注意点 献体の動機の問題 「葬儀代を浮かすため」はNG 献体はあくまでも医者や歯科医を育てるという医療の発展のために行われる無条件・無報酬の行為です。 当然ですが、火葬費用や納骨の費用を浮かせるために献体を利用するのは、献体制度の趣旨に反しています。 家族に迷惑をかけたくないので献体に登録したい 家族に迷惑をかけたくないという理由で献体を選ぶという人も増えているようです。 この場合は葬儀を開かずに献体を行うよう希望することが多いようです。 しかし、家族としては親戚などの関係で葬儀を開かないわけにはいかない場合もあり、 遺骨が返還される時期も不明で、逆に混乱させてしまうことにも繋がる可能性があります。 献体ができないケースもある 臓器提供を行う場合 臓器提供のドナー登録者であっても登録を受付けている大学もありますが、実際に亡くなった場合は臓器提供か献体かどちらかを選択肢なければなりません。 もし、献体を強く希望している場合は、生前に家族にその意志を強く伝えておくことが必要です。 なお、角膜を提供する献眼であれば、献体も受け付けている大学もあります。 角膜を提供する場合は、死後なるべく早く摘出する必要があります。摘出手術後に、通常通り通夜・告別式を行い、献体を実行することも可能です。 病理解剖や行政解剖など、解剖を行った場合 亡くなった時の状況によっては、病理解剖や行政解剖が行われる場合もあります。 事前に解剖が行われた場合は献体を実行することができません。 感染症などで死亡した場合 遺体は解剖学実習に使用できる状態であるほか、感染症などで死亡した場合も献体を断れる場合があります。