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【相続土地国庫帰属制度】相続した不要な土地を20万円で手放せる新制度が開始!利用条件や必要費用・相談先などを徹底解説 | 国税OB 税理士 秋山清成

1955年1月15日生まれ、福岡県八女市出身。1973年3月、福岡県立福島高等学校卒業。同年4月、大阪国税局に採用される。1974年6月まで、税務大学校大阪研修所に入校。昭和49年7月から平成27年7月まで41年間、大阪国税局・各税務署および国税不服審判所において、主に資産課税の調査等の事務に従事する。この間、銀行・証券会社・医師会およびライオンズクラブなどにおいて多数の講演会講師を務める。2015年7月、明石税務署:副所長で退職。同年11月、秋山清成税理士事務所を開業。
【著書】
税務調査官の着眼力II 間違いだらけの相続税対策
厳しい税務調査がやってくる

皆さんこんにちは。相続専門税理士の秋山です。

今日は相続土地国庫帰属制度に関する利用条件や費用・相談先について徹底解説していきたいと思います。

皆さんが親の相続により、使い道もなく買い手もつかない不動産を相続した場合、不要な土地・建物だけを相続放棄することは可能でしょうか?

答えとしてはできません。

皆さんが選ぶことができる選択肢は、不要な土地・建物を含めた全ての財産を相続放棄するか、全ての財産を相続した上で売れない不動産の維持費や固定資産税を払い続けるか、このどちらかを選ぶしか方法はなかったんです。

しかしこの状況が変わりました。

2023年4月27日から導入された新制度、相続土地国庫帰属制度を使えば、親から相続した不要な土地だけを国に引き取ってもらうことが可能になりました。

とはいえ、手放しで喜ぶことはできません。

皆さんが相続した不要な土地を国に引き取ってもらうためには、10個の条件をクリアした上で、土地一筆に月1万4,000円の申請費用と相応の負担金を国に支払う必要があり、誰でも気軽に低コストで国庫帰属制度を利用できるというわけではないからです。

そこで今回の動画では、初めに相続土地国庫帰属制度の概要、具体的には不要な土地を引き取ってもらうための4ステップについて解説をした上で、不要な土地を国に引き取ってもらうために必要な10の条件について詳しく見ていきます。

そして皆さんが一番気になる点であろう、制度を利用する際にかかる審査手数料や、実際に土地を引き渡す際の負担金についてもお話しします。

さらに国庫帰属制度に関する無料の相談先についても解説し、最後に国庫帰属制度以外の民間のおすすめサービスについてもお伝えしたいと思います。

この制度は、引取りの際に複数の条件があることや、決して安くない負担金を納める必要があることからも、視聴者の皆さん全員にとってベストな選択肢とはなり得ません。

ですが、現状において国が行っている不要な土地の引取りサービスは、この相続土地国庫帰属制度のみですので、国が定める条件を満たしているという方は、一度前向きに制度の利用を検討されてみるのも良いでしょう。

その上で動画の最後には、以前紹介した不要な土地を手放すことができる民間サービス3選についてもお話します。

国庫帰属制度の利用条件を満たせていなかったという方も、負担金が高すぎて制度を利用することが難しいという方も、ぜひ最後まで動画をご覧になっていただければと思います。

それでは本編を見ていきましょう。

①相続土地国庫帰属制度の概要

最初に相続土地国庫帰属制度の概要についてです。

ⅰ 相続土地国庫帰属制度とは(4ステップで解説)

この制度は、ざっくりと言うと親から相続した不要な土地を国が定める引取るルールを満たした上で、負担金を支払って、国に引取ってもらう制度です。

相続土地国庫帰属制度とは

ⅱ 不要な土地を引き取って貰う為の4ステップ

具体的な流れについて、こちらの4ステップに沿って見ていきましょう。

不要な土地を引き取って貰う為の4ステップ

①この制度は、親族から相続、もしくは遺贈によって不要な土地を相続した人が、不要な土地の所有権を引き取ってくださいと、国に申請を行うところからスタートします。

②その後、申請を受けた法務局が提出書類や実際の現地調査を行い、申請された土地が通常の管理コストの範囲内で管理ができると判断できた場合には、晴れて不要な土地の国庫帰属が認められます。

この申請から調査・承認が行われるまでの期間は、物件にもよりますが、大体半年から1年程度です。

③国庫帰属に関する承認を受けた後は、承認を受けた方が、一定の負担金を国に納付することで

④親から相続した不要な土地の所有権が正式に国庫に帰属するという流れとなります。

さて、これが相続土地国庫帰属制度の大まかな流れとなりますが、ここで重要なポイントを皆さんにお知らせしておきます。

それはこの相続土地国庫帰属制度というのは、国が定める引取り条件をクリアしていない限り、土地の引取りには一切応じてくれないということです。

土地の引取りには一切応じてくれない

つまり、皆さんが相続した土地が国が定める引取り条件を満たしているのか?ここが非常に重要となってくるんです。

次の章では、土地の承認申請を行うために知っておくべき国が定める引取り条件について、順番に見ていきましょう。

②国に引き取って貰う為に必要な『10』の条件

前提として、この状態の土地は申請自体を受け付けないというNGポイントが5つあります。

申請はできても、後の調査の段階で不承認となってしまうNGポイントが5つあります。

ⅰ 申請自体が認められないポイント5選

①建物がある土地

国に引取ってもらいたい土地の上に建物が建っていると、申請の段階で引取りを却下されてしまいます。

①建物がある土地

なぜなら、建物というのは土地以上に高額な管理コストがかかり、取り壊すにしても高額な解体費用が発生するため、国側も引取りたくないからです。

ですので、土地の上に建物がある場合は、申請までに建物を取り壊しておく必要があります。

②担保権や使用収益権が設定されている土地

土地に対して担保権、つまりローンなどや使用収益権、つまり借地権などといった第三者が主張できる権利が設定されている場合も、引取り対象外です。

②担保権や使用収益権が設定されている土地

こういった土地も引取り申請を行うまでに権利の買取や返還要求をしたり、古い抵当権が残っている場合は、登記の抹消を行っておく必要があります。

③他人(地元住民)の利用が行われている土地

他人の利用が行われている土地も引取りの対象外です。

具体的には、地元住民が公道から公道へ通り抜けるために利用する私道といった現状において、不特定多数の人の利用が見られる土地は、国側としても、引取り後の管理や処分が難しいため、申請の段階で引取りを却下されます。

③他人の利用が行われている土地

また少し特殊な場所で言うと、墓地内の土地や境内地なども引取りの対象外となります。

④特定有害物質により汚染されている土地

法務省は土壌汚染対策法によって土壌汚染対策の基準を設けているのですが、その基準を超える特定有害物質により汚染されている土地は、引取りの対象外です。

④特定有害物質により汚染されている土地

ですがこの項目に関しては、以前工場があった土地以外は、そうそう該当しないでしょうから、大多数の方にとって気にする必要はないかと思います。

⑤境界が明らかでない土地・所有権争いのある土地

隣接する土地の所有者との間で所有権の境界が争われている土地や、承認申請者以外に、その土地の所有権を主張する人がいる土地といった、土地の所有権について争いがある土地については承認申請を行うことができません。

⑤境界が明らかでない土地・所有権争いのある土地

申請を行いたいという方で、現状において、土地の境界や所有権に関する争いが発生しているという方は、事前に問題を解決しておくようにしてください。

次は申請は受け付けてもらえたけれど、調査の段階で不承認となってしまう土地についてみていきます。

ⅱ 調査の段階で不承認となってしまうNGポイント5選

⑥崖のある土地

引き取ってもらいたい土地の中に、勾配が30度以上、高さが5m以上という政令が定める崖があり、近隣に土砂災害などの被害が発生しうると認められた場合、調査の段階で引取りを断られることになります。

⑥崖のある土地

逆に引き取ってもらいたい土地の中に崖があったとしても、近隣に人が住んでおらず、土砂災害などが発生したとしても、周囲に甚大な被害を出す可能性が低い場合は、引取りの対象になると考えられます。

⑦土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地

ここで言う有体物というのは、果樹園の樹木や、倒れると近隣の住民に被害が出るような枯れた樹木、建物には該当しない廃屋や、放置車両といったものが該当します。

⑦土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地

これらの有体物が土地の上にあり、それらが土地の管理・処分を阻害していると認められた場合は、調査の段階で引取りを断られることになります。

逆に引き取ってもらいたい土地が森林で、その森林に樹木が生い茂っている場合や、宅地において、安全性に問題のない範囲で土留や柵があるといった、その土地の性質上、管理に問題がないと認められた場合には、引取りを行ってもらうことが可能です。

⑧土地の管理・処分のために除去しなければいけない有体物が地下にある土地

ここで言う地下にある有体物というのは、地下にある建物の基礎部分や産業廃棄物、古い水道管、井戸や大きな石といったものが該当します。

⑧土地の管理・処分のために除去しなければいけない有体物が地下にある土地

これらの有体物が地下にあり、それらが土地の管理・処分を阻害していると認められた場合は、調査の段階で引取りを断られることになります。

⑨隣接する土地の所有者と訴訟を争いをしなければ管理・処分ができない土地

これは例えば皆さんが他人の土地を通らないと公道に出入りできない、いわゆる袋地を所有しているとして、その上で隣接する土地の所有者からこの道を通るのを禁止するといった制限をかけられている状態ですね。

このような場合は、土地の所有者と訴訟をして公道に出入りするための権利を確保しない限り、調査の段階で土地の引取りを断られることになります。

⑨隣接する土地の所有者と訴訟を争いをしなければ管理・処分ができない土地

⑩その他、通常の管理・処分にあたって過分な費用・労力がかかる土地

国や市区町村側としては、土地を引取り、国が管理する状況となった後に、土地周辺の人や財産に被害を生じさせる出来事が起これば、国側に多大な費用・労力が発生してしまいます。

それを回避するために、調査の段階でリスクが見込まれる土地は引取りを断りますと、こう言っているわけですね。

具体的には、土砂の崩壊、地割れ、陥没のリスクがある土地。鳥獣や害虫、その他の動物が生息する土地、適切な造林や木と木の間隔を調整する間伐が行われていない森林です。

こういった土地は調査の段階で土地の引取りを断られることになります。

⑩その他、通常の管理処分にあたって過分な費用・労力がかかる土地

さて、ここまでが土地の承認申請を行うために知っておくべき国が定める引取り条件となります。

その上で次の章では、実際に承認申請を行う際に支払う審査手数料について見ていきましょう。

③制度を利用する際の審査手数料

制度を利用する際の審査手数料は、土地一筆につき1万4,000円となります。

その際の注意点として、現金やキャッシュレスでの納付は受け付けてもらえませんので、申請したい人は申請書に1万4,000円分の収入印紙を貼って納付するようにしましょう。

手数料の納付後は、申請を取り下げた場合であっても、審査の結果、不承認となった場合でも、手数料は一切返還されませんので注意が必要です。

審査の結果、不承認となり、不承認となった要素を取り除いた上で、再度申請をする際も、一筆1万4,000円の審査手数料がかかりますので、その点も覚えておいてください。

審査手数料

では次は、審査の結果、無事に土地の引取りが可能となった際に、国に対して支払う負担金の金額について見ていきましょう。

④実際に土地を引き渡す際の負担金

負担金の計算方法については、引取りの承認を受けた土地が、宅地、農地、森林、その他のどの種目に該当するか。また、市街化区域、つまり市街地や用途地域、農用地区域、のどの区域に該当するかで細かな金額が変わってきます。

ⅰ 宅地

例えば皆さんが親から相続した宅地、つまり住宅用の土地を国に引取ってもらいたい場合、その土地が市街地にある際は、後で詳しい事例付きで解説しますが、こちらの表の計算式を使い、宅地の面積に応じた負担金を計算することになります。

宅地の負担金

一方で、皆さんが親から相続した宅地が市街地以外にある場合は、負担金の金額は面積に関わらず20万円となります。

ⅱ 農地

農地に関しても同じ考え方で、負担金の金額を計算します。

つまり、皆さんが親から相続した農地が市街地にある際は、こちらの表の計算式を使い、農地の面積に応じた負担金を計算することになります。

農地の負担金

一方で、皆さんが相続した農地が市街地以外にある場合は、負担金の金額は、面積に関わらず20万円となります。

ⅲ 森林

森林に関しては、先ほどの宅地や農地とは違い、区域による計算方法の違いというものはなく、こちらの表の計算式を使って、森林の面積に応じた負担金の金額を計算することになります。

森林の負担金

ⅳ その他

最後にその他の土地、例えば雑種地や原野を引取ってもらう際の負担金の金額は、細かな定めは一切なく、一律で20万円となります。

ⅴ 種目別:具体的な負担金の計算

それではこの前提のもと、こちらの山田家の幸子さんが被相続人である父親から200㎡の宅地を受け取った場合と、300㎡の農地を受け取った場合、1,600㎡の森林を受け取った場合について、幸子さんがそれぞれの土地を国に引き取ってもらう際にかかる負担金について見ていきましょう。

さて、父親から市街地にある200㎡の宅地を相続した幸子さんですが、相続したのは、下図のように間口が50cmほどしかない宅地でした。

種目別の計算

通常の土地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければ、家を建てることができませんので、間口が50cmほどしかない宅地を相続しても、売却は難しいんです。

そのため、幸子さんは国庫帰属制度の申請をし、無事に承認を受け、負担金を支払うことになりました。

その際の負担金の金額はというと、幸子さんが相続した市街地にある宅地の面積は200㎡ですので、200㎡×2,450円+30万3,000円となり、合計で79万3,000円となります。

負担金の合計79万3,000円次のパターンを見てみましょう。

父親からいつまでも買い手のつかない市街地にある300㎡の農地を相続した場合、幸子さんが法務局に支払う負担金の金額は、300㎡×850円+29万8,000円で、合計55万3,000円となります。

負担金合計55万3,000円

同様に、父親からいつまでも買い手のつかない1,600㎡の森林を相続した場合、幸子さんが法務局に支払う負担金の金額は1,600㎡×17円+24万8,000円で、合計27万5,200円となります。

負担金合計27万5,200円

どうでしょうか?

市街地にある宅地や農地に関しては、負担金の金額はかなり高額となりますが、森林や雑種地、原野の負担金に関しては比較的良心的な金額設定となっております。

ですので、親から相続した土地が売れない森林や雑種地であるという場合には、相続土地国庫帰属制度を積極的に活用されるのもありでしょう。

また、農地に関しても相続土地国庫帰属制度を利用するメリットはあります。

基本的に田んぼや畑というのは、農地法の定めにより農業を営む人にしか売却をすることができません。

そのため、農業を営む人自体が減っている昨今においては、市街地にある売れない農地は一度宅地に転用して、一般の方向けに売却をするという形をとらざるを得ないんです。

ですが、農地転用を行う際には、10万円前後の費用の捻出や農業委員会に対しての許可申請といった手間暇がかかってしまいます。

その上で、苦労して農地を宅地に転用したとしても、その土地が売れるかは誰にもわからず、いたずらに土地の固定資産税を上げてしまうリスクもあるんです。

その点、国庫帰属制度に関しては、農地を手放す際の負担金は高額ですが、引取り要件を満たして手数料を支払うことで、土地の所有権を完全に手放すことが可能です。

土地の所有権を完全に手放すことが可能

農地の処分に苦労されているという方も、国庫帰属制度の利用は検討する価値があるでしょう。

ⅵ 負担金額算定の特例

ちなみに、この負担金を計算する際には、負担金額算定の特例という制度を利用することができます。

この特例制度は、隣合う二筆以上の土地については、一筆の土地とみなした負担金額で、国に引取ってもらうことができる制度です。

もう少し詳しく解説しますと、先ほどの幸子さんが相続した200㎡の宅地は登記上において、234-1番地というように一筆の地番の土地でした。

この一筆の土地を手放すために、幸子さんは負担金79万3,000円を支払ったんですね。

では、幸子さんが相続した宅地が234-1番地、234-2番地の合計400㎡だった場合、この二筆の土地の引取りに係る負担金は79万3,000円×2倍の158万6,000円になるのか?といえばそうではありません。

この場合、合算負担金申出書を法務局に提出することで、200㎡+200㎡の二筆の土地を合計400㎡の一筆の土地とみなして、下図の負担金額の計算式を用いて計算をすることができるんです。

負担金額算定の特例

その結果、400㎡×2,250円+34万3,000円=124万3,000円となりますので、特例を使わない場合の負担金が158万6,000円なのに対し、実に34万3,000円も安い金額で二筆の土地を引き取ってもらえるというわけですね。

ちなみに、皆さんが手放したい土地が市街地以外にある宅地や農地、雑種地や原野などのその他の土地に該当する場合、負担金の金額は土地の面積に関わらず、一筆20万円でしたよね。

これらの一筆20万円の土地が隣り合っている場合には、合算負担金申出書を法務局に提出することで、隣り合う二筆の土地の負担金を合計20万円に抑えることができますので、その点も覚えておいてください。

隣り合う二筆の土地の負担金

この制度を利用するためには、承認申請書を提出するときから、帰属の承認が行われるまでの間に申し出を行う必要がありますので、制度の利用を検討される方は、申し出のタイミングにも注意をしておきましょう。

ⅶ 負担金の納付方法

では次に、この章の最後のテーマ、負担金の納付方法について見ていきましょう。

無事に不要な土地を引き取ってもらえることになりましたら、後日法務局から引取りを承認した旨と、負担金を納付するための納入告知書が申請者の自宅に届きます。

負担金の納付期限は、書類が届いた翌日から30日以内ですので、納入告知書に記載されている負担金額を納入報告書を添える形で、各金融機関で納付を行ってください。

負担金を期限内に納付しない場合、国庫帰属の承認自体が取り消されてしまいますので、負担金の納付はしっかりと期限内に行っていただければと思います。

負担金の納付方法

さて、ここまで相続土地国庫帰属制度の概要をお話してきましたが、皆さんはこの制度を利用することができそうでしょうか?

といいますのも、土地というのは、それぞれの家庭ごとに全く違った姿・形をしているでしょうし、地上や地下の有体物なども「これは残しておいてもいいの?悪いの?」と自分1人で判断するのは難しいでしょう。

そんな方のために、国は既に2023年2月22日より法務局での無料相談の受付を開始しております。

次の章では、相続土地国庫帰属制度に関する相談予約の手順や、実際に相談できる内容について順番に解説をしていきます。

⑤国庫帰属制度に関する無料の相談先

まず前提として、土地の引取りに関する相談は事前予約制で行われます。

ⅰ 制度に関する相談の予約方法

手順としては、インターネットで法務局手続き案内予約サービスと検索すると「法務局手続き案内予約サービスポータル」というサイトが出てきますので、そのサイトをクリックしてください。

法務局手続き案内予約サービスポータル

そうすると、各都道府県を管轄する法務局が出てきますので、承認申請したい土地を管轄する法務局を選択しましょう。

管轄する法務局を選択

今回は相続した不要な土地が栃木県にあると仮定して、栃木県の宇都宮地方法務局を選択します。

ちなみに、相談したい土地が遠方にある場合で、対面相談を希望する方は、申請者の方の住所を管轄する法務局でも相談は可能です。

相談先を決定しますと、予約手続きのページに移動します。

ページの下に進み「宇都宮地方法務局 相続土地国庫帰属制度相談予約」を選択します。

相談予約を選択

予約申し込みに関する事項を読み、内容に納得ができましたら上記内容に同意するにチェックを入れましょう。

同意するにチェック

ページの下に進みますと、施設名と予約枠名が出てきますので、対面による相談か電話による相談かを選び、希望の日程を選択しましょう。

そうしますと、時間選択のページに移動しますので、相談したい時間を選択し予約するをクリックします。

相談したい時間を選択し、予約するをクリック

予約手続きのページに移動しましたら「利用者登録せずに申し込む方はこちら」をクリックしてください。

利用者登録せずに申し込む方はこちらをクリック

手続き説明のページの内容を読んでいただき「同意する」をクリック。

同意するをクリック

そうすると、利用者ID入力のページに進みますので、連絡がつくメールアドレスを入力し「完了する」をクリックしてください。

メールアドレスを入力

メール送信完了のページに切り替わりましたら、自身のメール受信箱にメールが届いていますので、残りの情報を入力するために、URLをクリックします。

URLをクリック

その先のページで相談したい土地の所在地番や相談内容、予約者の情報と、任意のアンケートを入力し、確認へ進むをクリックしてください。

確認へ進むをクリック

ちなみに、予約者の情報に関しては、土地の所有者本人だけではなく、家族や親族の方も相談可能ですので、当日相談を行う方の情報を入力してください。

当日相談を行う方の情報を入力

そして最後に、入力情報に間違いがないかを確認し「申込む」をクリック。これで予約の手続きは完了となります。

申し込むをクリック

先ほど登録したメールアドレス宛に予約完了メールが届きますので、当日はその内容に従って相談を行ってください。

ⅱ 相談前の準備資料

その際に、事前に準備しておいて欲しい資料は、相続土地国庫帰属相談票と相談したい土地の状況についてとなります。

この相談票とチェックシートに関しては、当日に持参しない場合、相談を行う前に記入することになりますので、事前にしっかりと記入をしておきましょう。

これらの書類は法務局のホームページからダウンロードが可能ですので、下記のリンクをご参照ください。

◆法務省のHP(動画内で解説したサイト&資料)◆

【法務局手続案内予約サービス】ポータル

・相続土地国庫帰属相談票

・相談したい土地の状況について(チェックシート)

また、スムーズに相談を進めるために、相談したい土地の登記事項証明書や登記所備付地図の写し、所有権や境界に関する資料や土地の形状、全体がわかる写真など、参考になりそうな資料はできるだけ多く集めておかれることをおすすめします。

ⅲ 実際に相談できる内容

当日に実際に相談できる内容としましては、所有している土地を国に引き渡すことができそうか知りたい、作成した申請書類や添付書類に漏れがないかを確認してほしい、といった具体的な内容については相談が可能です。

実際に相談できる内容

逆に引き取れない土地の要件を教えてほしい、負担金はどのような方法で計算するのか教えてほしい、といったこの動画で解説してきたような内容は、相談では答えてくれません。

ですので、制度の概要部分に関する疑問点については、事前に法務省のホームページを確認するか、この動画を改めて見直しておいていただければと思います。

⑥国庫帰属制度以外の民間オススメサービス

ここまでが相続土地国庫帰属制度のお話となります。

ここまで見てこられたように、この制度を利用するためには、引取りに関する10個の条件をクリアすることや、決して安くない負担金を納めるというハードルが存在します。

当然、制度の利用条件が満たせずに利用ができないという方や、負担金が高すぎて利用することが難しいという方もいらっしゃるでしょう。

そこで、そういった方におすすめしたいのが、以前こちらの動画で紹介した3つの民間サービスです。

【必見】親から相続した不要な土地・建物は手放せます!手放すための『3つ』の選択肢を紹介

最後の章では、これら不要な土地を手放すことができる民間サービス3選について、簡単にですが見ていきましょう。

ⅰ 「家いちば」

国庫帰属制度以外のおすすめサービス1つ目は、「家いちば」です。

「家いちば」というのは、不動産を売りたい側と買いたい側がお互いにベストの相手を見つけ出して、売買を成立させ、いわゆる個人間の不動産マッチングサイトです。

国庫帰属制度がお金を払って、不要な土地を引き取ってもらうのに対し、「家いちば」では売り手が自由に売買価格を設定し、その価格でも欲しいという買い手が不動産を購入します。

「家いちば」

2015年10月にサービスを開始してから、これまでの間に合計602件の不動産が「家いちば」経由で売買されています。

「家いちば」市場を利用するメリット、デメリットを紹介します。

メリットとしては、物件掲載から成約までの間に一切費用がかからないという点や、成約後に「家いちば」に支払う手数料も通常の不動産業者に支払う売買手数料の半額と、良心的なのもおすすめポイントです。

「家いちば」メリデメ

逆にデメリットとしては、買い手の問い合わせ返信や現地案内、内見、価格交渉までを全て自分で行うという点や、不動産が売れるまでの期間が読めないという点はネックに感じる方もいらっしゃるでしょう。

「家いちば」についてのさらに詳しい情報や、売買が成立した物件の画像、実際に物件を掲載して、売りに出す方法などについてはこちらの動画で解説しておりますので、興味がある方はぜひご覧なってみてください。

【必見】親から相続した不要な土地・建物は手放せます!手放すための『3つ』の選択肢を紹介

ⅱ 「みんなの0円物件」

国庫帰属制度以外のおすすめサービス2つ目は「みんなの0円物件」です。

「みんなの0円物件」というのは、先ほどの「家いちば」と同様、個人間での不動産取引をサポートする不動産マッチングサイトです。

2019年7月にサービスを開始してから、これまでに430件以上の不動産が「みんなの0円物件」経由で引き取られています。

ちなみに先ほどの「家いちば」では、掲載する物件の価格を、売り手側が自由に決めることができましたが、「みんなの0円物件」では、全ての物件は0円で取引されることになります。

「みんなの0円物件」

ですので私としては、親から売れない不要な土地を相続した際には、一度「家いちば」で値段をつけて物件を掲載し、数ヶ月から半年以上経っても全く売れる気配がないという場合は、「みんなの0円物件」で0円で物件を掲載してみるという流れがベターかと思います。

その上で、「みんなの0円物件」を利用する際のメリットデメリットについて見ていきましょう。

「みんなの0円物件」を利用する際のメリットとしては、0円プランという物件の掲載から引き渡しまでの作業を自ら行うプランを選ぶと、0円物件側に支払う手数料は1円も発生しないという点。

手放したい物件が、建物が建っていない更地や山林の場合は、購入希望者に対して0円でお譲りするので、勝手に現地を見て判断してくださいねというように、現地案内も必要ないという点です。

「みんなの0円物件」メリデメ

逆にデメリットとしては、物件の販売価格は0円のみという点や、0円プランの場合は、引き渡しまでにかかる作業を全て自分1人で行わなければならない点。

建物がある場合は、鍵を持っている売り手が現地案内や内見を行う必要があるという点や、「家いちば」同様に物件を手放せるまでの期間が読めないという点があります。

ⅲ 「やまねこ不動産」

国庫帰属制度以外のおすすめサービス3つ目は「やまねこ不動産」です。

「やまねこ不動産」というのは、一般の不動産業者に依頼をしても売れず、不動産マッチングサイトを利用しても売れなかったような土地・建物を有償で引取ってくれる法人です。

制度の大枠自体は相続土地国庫帰属制度と同じですが、「やまねこ不動産」の場合は、相続した不動産以外の引取りにも応じてくれるという点や、土地の上に建物がある場合でも、現況のまま引取ってくれるという点など国庫帰属制度よりも、より利用者に寄り添った形でサービスを行ってくれております。

「やまねこ不動産」

この他にも、国庫帰属制度と「やまねこ不動産」のサービスには、複数の相違点があるのですが、全部解説していると、動画が長くなってしまいますので、気になるという方はこちらの動画をご覧になってみてください。

【必見】親から相続した不要な土地・建物は手放せます!手放すための『3つ』の選択肢を紹介

では、「やまねこ不動産」を利用する際のメリット・デメリットについても見ていきましょう。

「やまねこ不動産」を利用する際のメリットとしては、「家いちば」や「みんなの0円物件」でも、引取り手がない不動産を引き取ってもらえる、他のサイトに比べて、不動産を手放すまでの手間が少ない、計画的に物件を手放せるという点があります。

「やまねこ不動産」メリデメ

逆にデメリットとしては、他のサービスに比べて、不動産を手放す際の手数料が高い、農地の引取りはできない、リスクの予測ができない土地、つまり引き取った後に、周囲に被害が出る可能性がある土地も引取り不可の可能性がある、という点があります。

これらの情報を含めて、ぜひ今回の相続土地国庫帰属制度の動画と民間サービス3選の動画を見比べていただき、より皆さん自身にマッチするサービスを活用していただければと思います。

 

最後に皆さんにお知らせです。

2023年の2月21日に私の新刊『相続専門40年ベテラン税理士が教える 損しない!まるわかり!相続大全』が発売されました。

当チャンネルでは既に相続贈与に関する動画が126本以上公開されておりますが、新しい著書では、これらの動画の内容を「損をしない相続」というテーマにスポットを当て、難しい言葉などは使わず、図解もふんだんに盛り込んだ上で、1冊の『相続大全』としてまとめ上げました。

今相続が起こっている方はもちろんのこと、将来の相続に不安があるという皆さんにも、ぜひ本書を1冊手元に置いていただき、不安な都度ご自身の選択が正しいのかどうかの判断材料としていただければと思います。

内容が気になるという方は、こちらの販売ページから『まるわかり相続大全』をご購入いただければと思います。

◎新刊の販売ページはこちら◎

『相続専門40年ベテラン税理士が教える 損しない!まるわかり!相続大全』

それでは次回の動画でお会いしましょう。

最後までご視聴いただきありがとうございました。

秋山清成

この記事は下記の動画の内容を書き起こしています。よろしければ動画もご視聴ください。

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