手元供養とは

「手元供養」は2000年以降にできた新しい言葉です。
字の通り、手元に遺骨の一部を置いて供養することを意味します。

手元供養はここ数年で多くの種類の商品が出ていますが、一番知られているものは「遺骨ペンダント」です。
遺骨ペンダントは遺骨をペンダントに納めて、身につけられるアクセサリーです。
一般的なアクセサリーと変わらないオシャレなペンダントを当店でも取り揃えています。

他にはミニ骨壷や、ミニ骨壷の置き場所としてお部屋のインテリアにも馴染むようなミニ仏壇などがあります。

このように、遺骨を身に着けたり、自宅に保管したりして、身近なところで故人を供養してしのぶことを「手元供養」と呼んでいます。

手元供養が選ばれる背景

現在、手元供養を選択する方は次のような方がおられます。

  • 故人の方と離れたくないという思いが強い方
  • お墓はあるものの、遺骨の一部は手元に残して置きたい方
  • お墓がなく、散骨や永代供養墓(合葬墓)をしたが、遺骨の一部は手元に残して置きたい方
  • お墓が遠方にあり、中々お墓参りにいけないので、分骨して手元で供養したい方

「手元供養」という言葉ができるまでも、「自宅供養」という言葉があったようですが、あまり知られている供養の方法ではありませんでした。
それが近年、一般の方にも知られるようになりました。

その背景の一つとしては、お墓不足があげられます。
少し古いデータになりますが、東京都が2008年に公表した数字では墓地の需要が年2万基程度に対して、都内での民間と公営を合わせた供給は約6千程度とのことです。
そして、今後死亡者数の増加に伴い、2028年には3万基、2040年には4万3千基まで需要が高まると推測しています。

遺骨を納めるお墓がないことから、散骨や永代供養墓(合葬墓)を選択されたり、自宅で遺骨を保管する方が増えて来ているのです。
また、お墓の管理などの手間を自分の死後に負担をかけたくない、墓守をしてくれる継承者がいない方も散骨や永代供養墓を選択されるケースが増えているようです。

手元供養の疑問1:分骨はしても問題ないのか?

手元供養は遺骨の一部を手元に置くことが一般的です。
つまり、分骨するわけですが、「分骨することは悪いことではないのか?」という疑問を持たれる方もおられると思います。

お釈迦様も分骨されている?!

「仏舎利」という言葉をご存知でしょうか?
仏舎利とは、入滅した(亡くなった)お釈迦様の遺骨のことを言います。
仏舎利をめぐって争いが発生し、結果的に10ヶ所の寺院に奉納されたと言います。
そして、その後、インドを統一したアショーカ王によって、7ヶ所の仏舎利が発掘され、遺骨をさらに細かく粉砕して、最終的には8万余の寺院に奉納されたそうです。
つまりお釈迦様の遺骨も分骨されているのです。

また、西日本の骨壷は他の地域の骨壷に比べて小さいことはご存知でしょうか?
西日本では昔から、骨上げをする際にすべての骨を拾うのではなく、部分的に骨壷に納めることが一般的です。
つまり、この時点で、すでに分骨されていることになります。

法律的に分骨はどうなのか?

法律的にも分骨は問題ありません。
分骨に関しては、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」の第5条に定められています。

火葬場で分骨する際は火葬場の管理者は分骨のための火葬証明書、お墓に納めた遺骨を分骨する際は墓地管理者は墓地に納められていたという証明書を請求されたときは交付しなければいけない。そして、それらの証明書を分骨先の管理者に提出しなければいけないと書かれています。
こちらがその文言になります。

第5条 墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者の請求があつたときは、その焼骨の埋蔵又は収蔵の事実を証する書類を、これに交付しなければならない。
2 焼骨の分骨を埋蔵し、又はその収蔵を委託しようとする者は、墓地等の管理者に、前項に規定する書類を提出しなければならない。
3 前二項の規定は、火葬場の管理者について準用する。この場合において、第一項中「他の墓地等」とあるのは「墓地等」と、「埋蔵又は収蔵」とあるのは「火葬」と読み替えるものとする。

分骨する際はこういう手続きをしてくださいねという法律があるわけですから、分骨は法律的に問題はありません。

また、この法律は墓地などに納めることを前提に書かれており、散骨や手元供養については当てはまらないのではないかという解釈が一般的になされています。
つまり、散骨や手元供養を行う際の分骨時に元の墓地等の管理者に証明書をもらう必要はないということです。

しかし、将来、手元供養していたお骨をお墓に納めたいとなったときに、そのお骨が誰のお骨なのか証明する証明書がなければ納めることができません。
将来のことも考えて証明書をもらっておくのが無難と言えるでしょう。

弁護士 大江哲平さん

弁護士 大江哲平さんの見解

散骨や手元供養は、「埋蔵」にも「収蔵を委託」にも該当しないことは文言上明らかですので、少なくとも、墓地、埋葬等に関する法律施行規則には違反しないということができます。よって、元の墓地等の管理者に証明書をもらわずに手元供養、散骨しても墓地、埋葬等に関する法律施行規則に違反しないということになります。
「分骨」について直接規定した法令は他にないので、「分骨」が即違法になることもないと考えられます。

手元供養の疑問2:遺骨は自宅で保管してもよいのか?

もうひとつよくある疑問として「自宅で遺骨を保管してもよいのか?」ということがあります。

遺骨の取扱いについては「墓地、埋葬等に関する法律」に定められています。
その第四条第一項に次の文言があります。

埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

つまり、自宅の庭などに遺骨を勝手に埋葬することは禁じられています。

しかしながら、自宅でお祀りすることは、埋葬、埋蔵することには当てはまらないというのが一般的な解釈です。
そして、遺骨は必ず埋葬、埋蔵しなければならないという法律はありません。

弁護士 大江哲平さん

弁護士 大江哲平さんの見解

自宅で遺骨を保管することが「埋葬、埋蔵」に当たらないのは、日本語の普通の意味から当然と思われます。この解釈を争う余地もないので、判例はなさそうです。
遺骨をいつまでに埋めなければならないという法律は、調べた限りではないようです。したがって、自宅に保管すること自体は法律的に問題ありません。
とはいえ、永遠に保管することはできませんので、いつかは誰かが最終的にどうするかを決めなければなりませんね。

手元供養のメリットとデメリット

手元供養にはメリットとデメリットがあります。
まずデメリットは下記のようなものが考えられます。

快く思わない人がいる

ご親戚や家族の方の中には、遺骨を自宅に置くことや、分骨することを快く思わない方がいらっしゃるかもしれません。
そうした方を説得して手元供養を実現しないといけません。

自分が亡くなった後を考える必要がある

手元供養していた本人が亡くなった後に、その遺骨をどうするか考えなければいけません。
一般的には後を継いでくれる方がいれば継いでもらい、いなければ、ご自身の遺骨と一緒に墓地に埋葬したり、散骨してもらうことを遺言に残しておくとよいでしょう。

紛失する可能性がある

いつでも手元に置いておけるということは持ち運びができるということです。
一緒に旅行に連れていってあげることも可能です。
しかし、持ち運ぶということは、それだけ紛失する可能性も増えます。

一方メリットとしては次のようなものがあります。

いつも身近に故人を感じられる

自宅に置くことが可能であり、遺骨ペンダントなど身につけるものであれば、常に故人を側に感じることができます。
一緒に旅行をすることも可能です。
身近に故人を感じることで、大切な方を亡くした喪失感を緩和してくれる効果も得られるでしょう。

費用・手間をおさえることができる

お墓を購入しようと思うと非常に高額な費用がかかります。(墓石代、使用料、年間管理料など)
また、お墓の承継問題や、手入れの問題なども生じます。
一方で手元供養の場合、それほど費用はかからず、かつ、いつでも手入れができます。
また、遠方にお墓がある場合は、中々お参りに行くことはできませんが、手元供養は手元に遺骨があるのでいつでも祷ることが可能です。

まとめ

このように手元供養はまだ一般的とは言えないまでも、多くの方に知られるようになり身近なものになりました。
その背景として、現代の社会事情から来るお墓不足の問題、お墓の承継問題・管理問題といったものがあります。
様々な葬儀や供養の方法が選択肢としてある現代。
身近な人が亡くなった寂しさを埋めてくれる手元供養は今後、より多くの方に選択されていくことが予想されます。

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