バルーン宇宙葬やロケット宇宙葬など「宇宙葬」の価格と今後

宇宙葬のイメージ

個人が宇宙旅行ができる時代。なんと”故人”も宇宙を旅する「宇宙葬」というものも出てきています。
最先端の葬送、壮大なスケールの宇宙葬についてまとめます。

宇宙葬を行っている各社

バルーンにのせて大空へ散骨 バルーン工房のバルーン宇宙葬

日本でも行われているのが株式会社バルーン工房が行っているバルーンに遺灰を詰め、成層圏で膨張・破裂し、散骨するというものです。大気圏を出ないので正確に言うと空葬と読んだ方がいいかもしれませんが、成層圏からの眺めは地球と宇宙の境目が広がる壮大な景色です。そして遺灰は偏西風に乗って地球上空を漂い続けます

バルーン工房のバルーン宇宙葬は基本葬送費用は240,000円(税別)、別途粉骨費用、自身の希望場所で行う場合は実施場所の借地代、スタッフの出張経費などがかかります。

ロケットに遺骨を乗せる セレスティス社のロケット宇宙葬

アメリカではロケットに遺骨を乗せ、実際に宇宙空間まで飛ばす事業が「セレスティス社」によって実際に運用されています。セレスティス社は宇宙葬をいち早く始めた実績のある会社で、日本では銀河ステージが正規の代理店となっています。

宇宙飛行プランや人工衛星プランなど様々なプランがありますが、最も安い宇宙旅行プランで450,000円がかかります。

また、現地アメリカでの打ち上げ見学や、セレモニーから打ち上げの場面の動画、打ち上げ証明書などがもらえます。

日本向けの超低価格宇宙葬 エリジウムスペース社の記念宇宙葬

アメリカ・エリジウムスペース社が日本に向けた宇宙葬サービスを開始しました。わずか30万円台で地球の周回軌道に乗り数ヶ月間地球を周回、その後大気圏に再突入し、流れ星となって燃え尽きます

葬儀サービスを運営する日本の会社「みんれび」からは「Sorae」というサービスが285,000円で提供されています。なんといっても特徴は超低価格、周回中は専用のアプリで衛星の位置が分かるサービスもつき、最後は流れ星となり宇宙ゴミの心配がないという画期的なサービスです。(2019年4月19日現在、サービス停止中)

宇宙葬のここに注目!

高いと思いきや…お墓を建てるよりは全然割安!

アメリカの実績のあるロケット葬でさえ、最安プランは40万円台です。一般的なお墓を作るのに200万円程度かかると言われていることを考えれば、宇宙葬は実は割安だと言えます。

日本で実施できる宇宙葬を扱っているバルーン工房のバルーン宇宙葬の費用は粉骨化も合わせて概ね24万円程度です。Soraeも20万円台で行えます。
今やお墓を建てることは宇宙へ飛ばすよりも壮大なことになっているのです。

間違いなくこれから低価格化が進む分野

堀江貴文さんがロケット事業に取り組んでいることは有名ですが、各国でも様々な民間宇宙ロケットのベンチャー事業が次々と参入してきています。宇宙旅行が当たり前の時代が来ると言われていますが、Soraeのような低価格サービスが今後も増えてくる可能性は大いにあります。

宇宙葬でよくある質問

ロケット葬は日本ではやってないの?

日本向けのサービスや窓口はあるものの、遺灰をロケットにのせるロケット葬は現時点ではアメリカでしか行っていません。実際に発射に立ち会うにはアメリカに行く必要があるので、渡航費も負担しなければなりません。

発射の様子を動画で記録したり、衛星軌道上の位置をアプリで知ることのできるサービスなどもあるため、それらを活用するのもひとつの手です。

スペースデブリ(宇宙ゴミ)の問題は?

バルーン葬に関して言えば、遺骨の主成分はリン酸カルシウムで自然界に元からある物質なので悪影響はありません(参考:マイナビニュース)。加えて偏西風に乗って長時間空を漂うことになるので、広く散布されます。

ロケット葬に関して言えば、実際には多くのプランでは大気圏突入時に燃え尽きる形で「火葬」されます。セレスティス社の日本窓口の銀河ステージでも、宇宙ゴミに配慮したサービスのみを取り扱っているようです

打ち上げに失敗したらどうなるの?

セレスティス社では失敗に備えて遺骨のカプセルを2つ用意して、遺骨が回収できなかった場合は予備カプセルを優先して打ち上げるようです。(参考)
エリジウムスペース社では失敗のサービス保証があり、次の打ち上げ可能日に無償で打ち上げることができるようです。(よくある質問を参照)

バルーン工房のバルーン宇宙葬に関しては、土砂降りでもない限りは雨の日でも可能なようです。強風注意報や台風を避けて実施しています。(参考)

宇宙葬の今後

実は宇宙葬は今では安価に行うことができます。
基本的にはアメリカでの打ち上げですが、日本でもバルーン葬であれば実施可能です。
古くから死生観は宇宙観でもありました。文字通り最後には星になる宇宙葬は実はもっとも自然な葬送のやり方なのかもしれません。
今後も進展が見られる分野なので、要注目です。